質問主意書

第149回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六号

劣化ウラン弾薬きょう流出に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年八月四日

照 屋 寛 徳   


       参議院議長 斎 藤 十 朗 殿


   劣化ウラン弾薬きょう流出に関する質問主意書

 二〇〇〇年六月一日、国会から帰宅途中で劣化ウラン弾の薬きょうが沖縄県中頭郡西原町のスクラップ業者の物資置場で発見されたとのニュースを聞き、大変驚いた。私は、直ちに現地へ直行し、翁長正貞西原町長と一緒に現場確認、関係者からの事情聴取を行い、外務省職員らへの放射能汚染調査を要求した。
 私は、その場でキャンプ・キンザー内にある国防再利用売却事務所(DRMC)で劣化ウラン弾の薬きょうを買い受けた業者から同薬きょう四個をもらい受けた。国政調査に係る貴重な証拠品である。
 在沖米海兵隊報道部は、地元新聞社の取材に対し、「見つかった薬きょうは二五ミリの劣化ウラン弾のものである」、「今回の薬きょうと鳥島で発射された劣化ウラン弾とは無関係である。海兵隊は劣化ウラン弾をAV8Bハリアー機で使用している。劣化ウラン弾は平時では使用されていない」、「発射物に関係なく、それらの全ての薬きょうは無害である。そのことが重要」等とコメントしている。
 発見された約四百七十本の薬きょうは、在沖米海兵隊が使用した劣化ウラン弾のものであることは疑う余地がない。県内で発射したのか、国外で発射され薬きょうのみを県内に再搬入したのか、在沖米軍へ情報開示を求め、真相を究明する義務を政府は負っている。
 一九九〇年八月から九一年二月までの湾岸戦争では、八十六機の海兵隊ハリアー機がペルシャ湾に派遣され、クウェートに侵攻したイラク軍の装甲車に二五ミリ機関砲を発射した。発射された劣化ウラン弾は百万発以上、そのうち六万七千発は、米海兵隊のハリアー攻撃機から発射されたものと言われている。
 ある軍事評論家は「今回の薬きょうが鳥島のものではなく、平時で使用されていないとするならば、時期的には、湾岸戦争での使用しか思い当たらない」と説明する。
 湾岸戦争に従軍した多くの兵士が劣化ウラン弾の放射能にさらされて体調を崩す湾岸戦争症候群が、アメリカで大きな社会問題になっていることを想起すべきだ。
 今度の劣化ウラン弾薬きょう流出問題で明らかになったのは、米軍の廃棄物・不要品管理のずさんさや、情報公開の不徹底、日本政府のチェックシステムが全く及ばないこと等の問題点である。米軍基地から排出される廃棄物等が国民の生命・身体の安全に危険を及ぼし、環境に悪影響を及ぼすものであるからには、日米地位協定を改正し、自治体による基地内立入調査権の確立を図るべきと言える。
 私は、米空軍第一八航空団が嘉手納弾薬庫地区内で保管している劣化ウラン弾の速やかな撤去及び流出した劣化ウラン弾薬きょうの使用、流出経路を明らかにするよう強く求めたい。
 以下、質問する。

一、二〇〇〇年五月三十一日、西原町のスクラップ業者の物資置場で発見された約四百七十発の劣化ウラン弾薬きょう及び保管場所周辺等における放射能汚染調査の実施内容とその結果の詳細を明らかにされたい。

二、政府は、アメリカ政府に対し発見された劣化ウラン弾薬きょうの流出時期、流出経路等について照会したとのことであるが、アメリカ政府からどのような回答を得られたのか明らかにされたい。

三、劣化ウランの使用について我が国の国内法上、どのような規制があるのか明らかにされたい。

四、米軍の廃棄物管理・不用品払下げの運用について、日本政府としてのチェックシステムがあるか。また、米軍の廃棄物管理・不用品払下げの運用は現行のままで良いと考えているのか明らかにされたい。

五、PCBなどの有毒物質、劣化ウラン弾の薬きょう流出など基地による環境汚染は深刻である。基地は最大、最悪の環境汚染源である。しかも、いったん環境汚染の事態が発生した場合、有毒物質、汚染物質の存否、管理等についての情報はなかなか開示されないのである。政府は、現行日米地位協定を改正して、自治体による環境調査、環境影響評価のための基地内立入調査権を確立すべきと考えるが、政府の対応を明らかにされたい。

六、米空軍第一八航空団のジェームス・スミス司令官は、二〇〇〇年五月二十四日、嘉手納弾薬庫地区内に劣化ウラン弾が保管されていることを明らかにした。政府は、スミス司令官の発表をどのように受け止めているのか。また、政府は、アメリカ政府に対し劣化ウラン弾の沖縄からの撤去を求めたか。求めていないとすれば、その理由を明らかにされたい。

  右質問する。