質問主意書

第148回国会(特別会)

答弁書


第百四十八回国会答弁書第七号

内閣参質一四八第七号

  平成十二年八月八日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員櫻井充君提出ブルーインパルスT4型機の墜落に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出ブルーインパルスT4型機の墜落に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の本年三月二十二日に発生したT-2の墜落事故(以下「T-2墜落事故」という。)の後、事故機が所属していた航空自衛隊第四航空団所属航空機の操縦者に対する安全教育の一層の徹底を図るとともに、同航空団所属航空機全機の飛行を停止して幅広い点検等を実施した結果、特段の不具合や問題点がなく、飛行の安全を確認し得たので、飛行を再開したものである。

二について

 T-2墜落事故の後、本年三月二十九日に、操縦者に対する教育及び航空機の点検の面から幅広い事故再発防止策を講じたことから、同月三十日以降再び飛行を実施することとした旨、関係地方公共団体に説明を行ったところであり、また、T-2墜落事故の原因及び経過については、本年七月三十一日に、関係地方公共団体に説明を行ったところである。

三について

 御指摘の本年七月四日に発生したT-4の墜落事故(以下「T-4墜落事故」という。)の原因等については、T-4墜落事故に係る航空事故調査報告書がまとまり次第、関係地方公共団体に説明を行う予定である。
 なお、本年七月三十一日に、T-4墜落事故に関して現時点までに判明している事項等については、関係地方公共団体に説明を行ったところである。

四について

 女川原子力発電所の上空に航空自衛隊が訓練を行うこととしている空域はなく、常時設定されている最も近い訓練空域は同発電所から約三十三キロメートル、曲技飛行を行う最も近い空域は同発電所から約五キロメートル離れている。また、自衛隊の航空機は、原則として、原子力発電所の付近の上空は飛行しないこととしている。さらに、航空機の操縦士が十分な余裕を持って原子力発電所上空の飛行を確実に回避することができるための補助的手段として、原子力発電所上部に灯火を設置して視認性を向上させることにより、より一層の安全性の向上を図っているところである。
 これらのことから、女川原子力発電所に自衛隊の航空機が墜落することは考え難いので、自衛隊の航空機が同発電所に墜落した場合の被害の程度、放射能漏れの有無、放射能漏れが起こった場合の周辺地域への影響については評価していない。

五について

 お尋ねの「不可侵領域」が何を指すのか明らかではないが、四についてで述べたとおり、航空自衛隊が訓練を行うこととしている空域は女川原子力発電所から離れていること、自衛隊の航空機は、原則として、原子力発電所の付近の上空は飛行しないこととしており、特に、航空自衛隊松島基地所属航空機については、女川原子力発電所から半径二海里の範囲の上空は原則として飛行しないこととしていること等から、自衛隊の航空機の飛行が同発電所に危険を及ぼすとは考え難く、当該空域及びそうした措置を見直すことは考えていない。

六について

 航空自衛隊第四航空団所属航空機の飛行の再開に当たっては、安全確保のための施策を徹底的に実施し、安全が確保されたことを確認することが必要であると考えている。

七について

 政府としては、航空自衛隊松島基地所属航空機について連続して二件の大事故が発生したことは極めて深刻に受け止めており、早急に事故原因の究明に努めるとともに、再発防止のために最大限努力してまいりたい。