質問主意書

第146回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二〇号

盗聴法と警察の信頼性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年十二月十五日

中村 敦夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   盗聴法と警察の信頼性に関する質問主意書

 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(以下「盗聴法」という。)案の審議過程において、一九八六年に発覚した日本共産党幹部宅盗聴事件(以下「盗聴事件」という。)を取り上げて、野党議員や報道機関などから警察を信頼できないと追及された際、政府及び与党議員は、警察の信頼性が盗聴法成立の前提であることを主張した。
 例えば、警察庁の林則清刑事局長は、一九九九年六月六日の読売新聞でのインタビューにおいて、盗聴事件に関して質問された際、「検察庁の捜査で警察官の関与が認められ、民事判決で盗聴行為が推認された。その事実を警察全体で厳粛に受けとめている。疑惑を招くことが絶対にないよう厳しく戒めている。どうか信じて欲しい」と答えている。
 しかし、先般の神奈川県警察における警察官の覚醒剤使用もみ消し事件は、本部長を始めとする県警組織ぐるみの犯罪であることが判明している。刑事局長が「どうか信じて欲しい」と言っても、警察不信が世論に渦巻いていることは、新聞・雑誌などの投書欄などからも明らかであると考える。
 よって、盗聴法の前提である警察の信頼性が崩れているため、政府は盗聴法の廃止や施行の凍結、延期など適切な措置を講じるべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 なお、答弁の際には、一九九九年六月二十九日の参議院法務委員会において、修正案提出者の笹川堯衆議院議員が、「我々国会議員が法律をつくって捜査当局に与えましても、これは永久に与えるわけにはいかない。国民の信託を得た我々が捜査当局が間違いをどんどん犯せばこれは返してもらうというか取り消させていただくとか、そういうことに将来なる可能性は十分にございます」と答弁していることにも留意されたい。

  右質問する。