質問主意書

第146回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇号

米軍嘉手納ラプコンに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年十二月六日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   米軍嘉手納ラプコンに関する質問主意書

 「空の主権」返還を-嘉手納ラプコン事故で平和団体、“普通の姿”程遠く-航空関係者情報不足に不満、故障十二時間前に異常-嘉手納ラプコンのレーダー、予備なく修復対応のみ、米軍頼りに「もろさ」、百五十便 三万人に影響。これらはいずれも嘉手納ラプコン事故を報道した地元二紙の見出しである。
 嘉手納ラプコン(レーダー進入管制)は、一九九九年十一月十一日午後七時三十分頃にその機能を失い、翌十二日午後五時四十九分に復旧するまでレーダーシステムが故障した。運輸省那覇航空交通管制部によると、嘉手納ラプコンの故障が通報されたのは十一月十一日午後七時十分であった、とのことである。
 私は、十一月十二日午後零時三十分羽田発那覇行きの日本航空機に搭乗し、嘉手納ラプコン事故に遭遇した。搭乗した飛行機は、那覇空港上空で長時間待機飛行させられたのである。
 今度の嘉手納ラプコン事故により、約百五十便、三万人以上に影響が出たという。観光立県をめざす沖縄にとって深刻な事態を招来した。何よりも沖縄の空が米軍の管轄下にあり、空の主権が侵害されている事実に驚き、怒りを覚える。沖縄は陸にも海にも空にも軍事基地があるようなものだと考える。
 政府は、民間航空機の安全確保を図る意味においても、一刻も早く米軍管理になっている航空機進入管制権の返還を要求すべきである。
 以上の観点に立って、以下質問する。

一、米軍嘉手納ラプコンの機能及びその空域とシステム、運輸省那覇航空交通管制部との関係を明らかにされたい。

二、一九九九年十一月十一日から同月十二日の間の嘉手納ラプコン事故について、その事故原因等について米軍からどのような報告があったか明らかにされたい。
 また、嘉手納ラプコンが故障した場合のわが国への通報体制はどのようになっているのか、今度の事故についていつ、どのような形で通報があったか明らかにされたい。

三、一九七二年の沖縄復帰時に日米両政府で合意されたいわゆる「五・一五メモ」関連文書では、嘉手納ラプコンについてどのような合意が成立しているのか、その全容を明らかにされたい。

四、政府は、アメリカ政府に対し沖縄上空における航空機進入管制権の返還を求めたことがあるか。あるならその時期とそれに対するアメリカ政府の返答内容を明らかにされたい。
 また、政府は今度の嘉手納ラプコン事故をどのように受け止めたのか、今後航空機進入管制権の返還をどのような形で求めるのか明らかにされたい。

五、今度の嘉手納ラプコン事故の際、民間航空機の安全確保のためにいかなる方策が採られたか明らかにされたい。
 また、今度の嘉手納ラプコン事故の間に那覇空港を離発着して訓練した自衛隊機の機数及び訓練内容について明らかにされたい。

六、わが国の空の管制権はどのように区分されているのか。嘉手納ラプコンのように米軍が管制権を握っているところはあるのか明らかにされたい。

  右質問する。