質問主意書

第145回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質一四五第一号

  平成十一年二月二十六日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員中村敦夫君提出川辺川ダム建設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員中村敦夫君提出川辺川ダム建設に関する質問に対する答弁書

一の1について

 一級河川球磨川水系球磨川(以下「球磨川」という。)で昭和四十年七月三日に生起した洪水では、市房ダムへの流入量が最大毎秒八百六十二立方メートルを記録したが、同ダムにおいて最大毎秒三百四十一立方メートルの洪水調節を行った結果、同ダム下流の球磨川の流量が低減され、御指摘の「水位の急激な上昇」は緩和されたものと考える。

一の2について

 建設省九州地方建設局八代工事事務所は、球磨川(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第九条第二項に規定する指定区間内を除く。)に係る洪水氾濫実態調査を昭和四十年七月、昭和四十六年八月、昭和四十七年七月、昭和五十七年七月、平成五年八月、平成七年七月及び平成九年七月に行い、それぞれの調査に係る氾濫区域図を作成している。それぞれの氾濫区域図においては、浸水箇所を図示するとともに、浸水箇所ごとに浸水面積等の被害状況を記載している。

二について

 河川法第三条第二項に規定する河川管理施設であるダムについては、その計画規模を超える洪水時におけるゲートの操作要領を個々のダムごとに定め、計画規模を超える洪水時にはダムへの流入量を超えて放流を行わないようにゲートの操作を行うこととしているところである。川辺川ダムについても同様の対応を行うこととしており、仮に同ダムにその計画規模を超える洪水が流入し、同ダムの安全上非常用洪水吐きゲートを操作するとした場合においても、同ダムへの流入量を超える放流が行われることはなく、同ダムの設置により下流の洪水による被害の増大がもたらされることはないと考える。

三について

 河川法第十六条第一項に規定する河川整備基本方針(以下「河川整備基本方針」という。)の策定に向けた作業は現在順次行われているところであるが、河川整備基本方針に定められる基本高水については、河川法の一部を改正する法律(平成九年法律第六十九号)附則第二条第一項の規定により河川整備基本方針とみなされる同法による改正前の河川法第十六条第一項の工事実施基本計画に定められているものと異なる場合があり得る。
 球磨川水系に係る河川整備基本方針については、その策定に向けて資料の収集及び整理、基本高水の検討等を行ってきているところであり、その策定時期は現時点では未定である。