質問主意書

第145回国会(常会)

質問主意書


質問第一二号

川辺川ダム建設に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年三月十九日

中村 敦夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   川辺川ダム建設に関する再質問主意書

 球磨川水系流域(以下「流域」という。)には、アユ釣りや急流下りを楽しむ大勢の観光客が毎年訪れている。人吉市を例にとれば、市の歳入が約百六十億円という規模のところ、旅館の年間売上げは約五十億円にのぼっている。また、球磨川漁業協同組合(以下「漁協」という。)の良質な球磨川産アユは、東京など大都市にも出荷されて好評を博しており、流域の主要な物産となっている。
 このように、流域経済に占める球磨川水系の役割の大きさを考えるならば、当然のことながら、球磨川上流部へのダム建設には、細心の慎重さが強く求められねばならない。よって、川辺川ダム建設を行う政府は、流域住民の抱く疑問に誠実に応える必要があると考える。
 以上の観点から、次の事項について再度質問する。

一 建設省は、流域住民に対して選択取水設備を川辺川ダムに設置すると説明している。なぜ、川辺川ダムに選択取水設備を設置する必要があるのか、理由を明らかにされたい。

二 一で明らかにすることを求めている理由について、数値等をあげて具体的に根拠を明らかにされたい。明らかにできなければ、いつ明らかにできるのか、具体的に期日を示されたい。

三 川辺川ダムと同等規模のダムにおいて、選択取水設備が一と同様の理由で機能している事例を明らかにされたい。

四 渇水期においても、選択取水設備が一と同様の理由で機能をするのか、明らかにされたい。

五 建設省は、流域住民に対して清水バイパスを川辺川ダムに設置すると説明している。なぜ、川辺川ダムに清水バイパスを設置する必要があるのか、理由を明らかにされたい。

六 五で明らかにすることを求めている理由について、数値等をあげて具体的に根拠を明らかにされたい。明らかにできなければ、いつ明らかにできるのか、具体的に期日を示されたい。

七 球磨川上流の熊本県管理の市房ダムに清水バイパスを設置して、五で明らかにすることを求めている理由を住民に対して実証してはどうか、政府の見解を明らかにされたい。また、建設省は、流域住民に対して、市房ダムが県管理のため清水バイパスを設置できない旨の説明をしたようであるが、熊本県管理の荒瀬ダムに建設省が魚道を設置したことや熊本県営五木ダムの建設を建設省が行うこととの整合性について政府の見解を示されたい。

八 清水バイパスの性能は、漁協への補償に影響するのか、明らかにされたい。

  右質問する。