質問主意書

第145回国会(常会)

質問主意書


質問第七号

金融再生政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年二月二十五日

中村 敦夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   金融再生政策に関する質問主意書

 平成十年十一月十六日に政府が発表した緊急経済対策によると、日本経済を平成十一年度にはっきりとしたプラス成長に転換させるという目標を明示している。その柱として、金融システムの安定化・信用収縮対策が打ち出され、金融システムの早期健全化こそが、政府の経済政策における最重要課題であるとされている。
 とりわけ、特別公的管理下におかれた日本長期信用銀行(以下「長銀」という。)と日本債券信用銀行(以下「日債銀」という。)への対応は、政府の金融再生政策の試金石であり、市場が厳しく注目していることは疑いない。
 しかし、金融再生委員会に対して長銀と日債銀の固定資産台帳を資料要求したところ、両行に提出要求してないことを理由に台帳を保有していない旨、平成十一年二月十九日付で委員会からの文書によって回答があった。
 固定資産台帳は、企業の財務内容を詳細に知るためには必要不可欠である。その固定資産台帳を、両行を特別公的管理下においた後にも提出要求していないことは、特別公的管理政策、ひいては政府の金融再生政策への重大な疑義に直結するものである。
 したがって、次の事項について質問する。

一 政府は、長銀と日債銀を特別公的管理とする際、両行の資産内容を検査し、債務超過との判断を下した。資産には、両行自身が保有する不動産及び融資先から担保として提供された不動産がそれぞれ含まれている。だが、政府は、両行に固定資産台帳の提出を求めていないという。どのようにして両行を債務超過と見なし、特別公的管理とする判断を下せたのか、具体的に明らかにされたい。

二 今後、固定資産台帳の提出を両行に求めるのか。求めるとすれば、その具体的な期日を明らかにされたい。求めないのであれば、その理由を明らかにされたい。

三 長銀と日債銀から、担保不動産リストの提出はなされているのか。なされていれば、その概要を明らかにされたい。そうでなければ、その理由を明らかにされたい。

四 平成十一年二月十九日の政府発表によると、長銀の動産・不動産の健全資産を約四百四十一億円、同不良資産を約四百八十六億円と判定している。長銀から固定資産台帳の提出がなされていないにもかかわらず、どのようにして動産・不動産の資産判定をすることができたのか、具体的に明らかにされたい。

  右質問する。