質問主意書

第144回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五号

東京湾のゴミ処分場建設に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十年十二月九日

中村 敦夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   東京湾のゴミ処分場建設に関する質問主意書

 東京都が東京港最後のゴミ埋立地として建設中の新海面処分場をめぐり、設計ミスの疑いが出ている。
 もし、汚水が東京湾に漏れ出すようなことになれば、沿岸諸都県民の生活に与える影響は甚大である。また、名古屋の藤前干潟におけるゴミ処分場建設計画など、全国における海浜部近辺へのゴミの埋立て処分そのものに、新たな課題を突きつけるものであり、国民的関心の非常に高い問題であると考える。
 したがって、次の事項について質問する。

一、東京都の工事変更理由書によると、平成十年初め、東京湾新海面処分場Bブロックの裏止め止水工事に関し、厚生省が廃棄物処分場に係わる技術基準を改正することを見越して、事前に当初の計画を変更して事前混合処理土上限部分を荒川基準面プラス・マイナスゼロにしたとのことである。なお、基準は平成十年六月十六日に改正された。

1 厚生省による技術基準の改正に、経過措置は定められているのか。また、処分場Bブロックの建設工事は平成八年度から行われているが、経過措置の対象となっているのか。
2 当初設置した止水シートは、事前混合処理土の重さで矢板が沈んだ際に、損傷した可能性があると十分に考えられる。だが、東京都は根本的な工事のやり直しをせず、追加工事で対応しようとしている。東京湾新海面処分場建設は政府補助事業であるが、汚水漏れの危険性がないことを、国民に対し政府は証明若しくは保証できるのか、できるとすれば、いかなる手段によってするのか、明らかにされたい。証明若しくは保証できないとすれば、政府補助の返還要求を、政府は東京都に対して行うのか。また、責任者の処分を行うのか。

二、政府補助について

1 東京湾新海面処分場建設への政府補助の総額を明らかにされたい。
2 東京都が補強のための追加工事を行うに際し、政府補助を受けると聞くが、事実か。事実ならば、追加工事への政府補助の総額を明らかにされたい。

三、政府は、東京都から事前混合処理土の流し込みを中止した理由を公式に聴取しているか。聴取しているならば、中止理由を明らかにされたい。聴取していないとすれば、なぜしていないのか、理由を明らかにされたい。

  右質問する。