質問主意書

第142回国会(常会)

質問主意書


質問第一一号

建築設備士の資格確立等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十年五月八日

小川 勝也   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   建築設備士の資格確立等に関する質問主意書

 インテリジェントビルの普及や、建築物に関する環境、福祉、安全衛生、災害対策の重要性が増す中で、建築基準法第二条第三号に定義される「建築設備」の設計、工事監理にあたる「建築設備士」の役割も増している。また、昭和五十八年一月、建築審議会は建設大臣に対する答申で「建築設備の多様化、高度化と技術者の専門分化にかんがみた資格創設」を求めている。
 さらに、建設省による昭和五十一年二月の実態調査では、実際に設備の設計・監理に携わっている建築士は全体の〇・七%であり、建築設備の設計・監理はほとんど「建築設備士」が行っているのが実態と思慮する。
 しかしながら、「建築設備士」の権限に関する法的根拠は建築士法第二〇条第三項に「建築士は、…建設設備に関する知識及び技能につき建設大臣が定める資格を有する者の意見を聴いたときは、…報告書において、その旨を明らかにしなければならない」と定められているのみである。
 政府は、社会環境の変化やニーズに機敏に対応し、「建築設備士」を「建築士」に準じた資格制度とするべきと考える。そこで、以下のとおり質問する。

一、前記昭和五十八年一月の建築審議会答申はその後どのように具体化されたのか。

二、建築基準法及び建築士法では、建築設備を含む一定基準以上の建築物の設計、工事監理は建築士でなければできないとされており、罰則も設けられている。しかし、前記昭和五十一年の建設省調査結果で明らかなように、高度、専門化した設備設計・監理に関しては建築設備士に負うところが多く、建築士の範疇を超えている。他方で、「建築設備士」には法的権限が付与されていない。法律と実態が乖離、矛盾していると考えるが、政府の考えを伺いたい。また、課題があるとすれば、どのような対策、検討をしているのか。

三、「建築設備士」に関する資格と権限を「建築士」同様に法制化すべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。

四、「建築設備資格者」の証明発行権者を建設大臣とすべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。

  右質問する。