質問主意書

第141回国会(臨時会)

答弁書


第百四十一回国会答弁書第一二号

内閣参質一四一第一二号

  平成十年一月十六日

内閣総理大臣 橋 本 龍 太 郎   


       参議院議長 斎 藤 十 朗 殿

参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対する答弁書

一の1について

 労働基準監督機関においては、新聞販売店に対して、従来から計画的に監督指導を実施しているところであり、平成五年及び平成六年には、百九十六事業場の監督指導を実施したところである。その結果、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)等に違反している事業場については、その改善を指導したところである。

一の2について

 労働基準監督機関においては、新聞販売店で働く労働者の労働条件に関し、計画的に行う監督、労働者からの申告に基づく監督等により労働基準法に違反する事案の把握に適宜努めており、御指摘の新聞販売店における一箇月単位の変形労働時間制に関する全国的な調査を行うことは考えていない。

一の3について

 労働者の交通事故による労働災害を防止するため、労働省においては平成六年二月に事業者が取り組むべき対策について「交通労働災害防止のためのガイドライン」を策定し、交通事故による労働災害の防止のための担当者の選任、適正な労働時間等の管理、運転者に対する教育の実施等について指導してきているところである。今後とも、新聞販売店を含め、交通事故による労働災害の防止のため、ガイドラインに基づく対策の徹底に努めてまいりたい。
 なお、新聞販売店における交通事故による労働災害の死亡者数は、平成五年は六十五人であったが、その後減少し、平成八年には三十四人となった。

一の4について

 新聞販売店で働く労働者の労働条件に関しては、労働基準監督機関が労働基準法等に違反する事案を把握した場合には使用者である新聞販売店の事業主等に対し厳正に指導している。また、新聞販売店で働く労働者の労働条件の改善を図るためには業界の自主的な改善努力を促すことが重要であることから、労働省においては、社団法人日本新聞販売協会の協力を得て、平成五年度から平成七年度にかけて「日販協労働条件適正化推進事業」を実施し、労働条件改善マニュアルの作成、労働条件改善のための講習等を行ったところである。

二の1について

 労働基準法第十七条は、使用者が前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金とを相殺することを禁止している。
 新聞奨学生は使用者である新聞販売店の事業主と労働契約を締結するものであって、新聞社等は当該学生の使用者には当たらないこと、また、奨学資金に係る債権と賃金とを相殺するものではないことから、新聞社等が、その系列の新聞販売店で一定期間働くことを条件に新聞奨学生に授業料等に相当する額を奨学資金として貸し付け、当該奨学生があらかじめ定められた期間働くことなしに当該新聞販売店を退職した場合においてその全部又は一部の返済を請求したとしても、御指摘の前借金相殺の禁止を規定する労働基準法第十七条には違反しないものと考える。

二の2について

 労働基準法第十五条は、労働契約の締結に際し、使用者が労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない旨規定している。労働省においては、労働基準監督機関を通じて、御指摘の問題が発生しないよう新聞販売店に対してこの規定が遵守されるよう必要な指導をしてまいりたい。

二の3について

 新聞販売店で働く新聞奨学生を始めとする労働者の労働条件に関しては、労働基準監督機関が労働基準法等に違反する事案を把握した場合には使用者である新聞販売店の事業主等に対し厳正に指導している。また、新聞販売店で働く当該労働者の労働条件の改善を図るためには業界の自主的な改善努力を促すことが重要であることから、労働省においては、社団法人日本新聞販売協会の協力を得て、平成五年度から平成七年度にかけて「日販協労働条件適正化推進事業」を実施し、労働条件改善マニュアルの作成、労働条件改善のための講習等を行ったところである。

二の4について

 労働省においては、御指摘のような問題が生じないよう、労働基準監督機関を通じて、労働基準法第十五条の規定の趣旨の徹底を図るよう使用者である新聞販売店の事業主等に対し指導するとともに、必要に応じて新聞社等に対しても指導してまいりたい。