第141回国会(臨時会)
答弁書第一号
内閣参質一四一第一号 平成九年十一月十四日 内閣総理大臣 橋本 龍太郎
参議院議員竹村泰子君提出ダム事業の総点検に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員竹村泰子君提出ダム事業の総点検に関する質問に対する答弁書 一の1について 御指摘の「ダム事業の総点検」(以下「総点検」という。)の対象としたダム等事業(以下「対象ダム等事業」という。)及びその事業地の所在する市町村名は、別表第一のとおりである。 一の2について 総点検においては、それぞれの対象ダム等事業について、当該事業が計画されている河川等における治水事業の進ちょく状況、過去の洪水による災害の状況及び過去の渇水によって生じた支障の状況、当該事業に係る水需要の見通し、関係する地域の意向、これまでに実施してきた調査の結果等を総合的に勘案して検討を行ったものである。 一の3について 対象ダム等事業のうち、中止ダム等事業(対象ダム等事業のうちその事業に係る水需要の見通しが変化したこと、治水計画上のより優れた代替案の存在が確認されたこと等の理由によって平成十年度以降は事業を行わないとの判断を行ったものをいう。以下同じ。)、休止ダム等事業(対象ダム等事業のうち事業の緊急性、地元状況等にかんがみて平成十年度予算概算要求では要求を行わず、その代替案も含めた今後の事業の進め方について検討を行うこととしたものをいう。以下同じ。)及び一時休止ダム等事業(対象ダム等事業のうちダム等事業審議委員会の審議の結果を待って今後の事業の進め方を判断することとしたものをいう。以下同じ。)以外のものについては、一の2についてで述べた総合的な検討を行った結果、建設省及び対象ダム等事業の事業者(以下「建設省等」という。)として、平成十年度予算概算要求においても要求を行い、継続して事業を行うことが妥当であると判断したものである。 一の4について 建設省等においては、これまでも、建設省所管のダム等事業について、それぞれ、その必要性、緊急性等を検討してきたところであり、その結果、平成八年八月に、四のダム等事業について平成九年度以降は事業を行わないことが妥当であると判断したものである。
二の1について 中止ダム等事業について、平成十年度以降は事業を行わないことが妥当であると判断した理由は、別表第二のとおりである。 二の2について 休止ダム等事業について、平成十年度予算概算要求では要求を行わないことが妥当であると判断した理由は、別表第三のとおりである。
二の3について 中止ダム等事業とされた各事業については、これまでに得られた調査の結果等から、当該事業に係る水需要の見通しが変化したこと、治水計画上のより優れた代替案の存在が確認されたこと等を踏まえ、建設省等において平成十年度以降は事業を行わないことが妥当であると判断したものである。
二の4について 御指摘の「平成十年度に最低限必要な基礎的調査以外に工事や調査を進めることができない(足踏み状態)ダム事業」は、いずれも、予算上の制約のために、平成十年度予算概算要求では流量観測、水質観測等の継続して行う必要がある最低限の基礎的な調査(以下「基礎的調査」という。)のみを実施するという内容の要求を行わざるを得なくなった事業である。 二の5について 建設省所管のダム等事業に係る基礎的調査の結果の公表は、それぞれの事業の事業者の判断において行われるものである。
二の6について 御指摘の「基礎的調査の結果」は、ダム等が計画されている河川の流量、水質等の基礎的な観測値にすぎないものであり、それに基づいてダム等事業の進め方を判断し得るものではない。 |