質問主意書

第141回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

ダム事業の総点検に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成九年十月十三日

竹村 泰子   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   ダム事業の総点検に関する質問主意書

 先般、建設省から「ダム事業の総点検」が発表されたが、その検討内容、経過、結果は、極めて不透明なものとなっている。政府は、各ダム事業ごとに検討経過や判断理由等を、国民に対して明らかにするべき責任があると考える。そこで、以下のとおり質問する。

一、「ダム事業の総点検」について

 「ダム事業の総点検」において、「各ダム事業の必要性、緊急性、地元状況等について、全国のダムを総点検した結果、平成十年度概算要求において以下のような措置を行うこととする。」と記述されているが、

1 「全国のダムを総点検した」とあるが、検討した全国のダムと、その所在地を示されたい。
2 「必要性、緊急性、地元状況等」について、具体的にどのような検討を行ったのか示されたい。
3 記載されているダム以外は、必要性、緊急性、地元状況等について全く問題がないという認識なのか。
4 建設省は、昨年十二月に四つのダム事業につきその中止を発表しているが、その際には今回中止を決定したダムにつき見直しを行わなかったのか。行わなかったとすれば、その理由を示されたい。また、見直しを行っていたとすれば、昨年十二月には中止に至らなかったにも関わらず、今回中止と判断したダムについては、なぜ判断が異なる結果となったのか、その理由を示されたい。

二、「中止ダム事業」、「休止ダム事業」、「足踏みダム事業」について

1 「水需要の見込みがないことや、より優れた治水上の代替案の判明などの理由により、中止の判断をしたダム事業」につき一覧で記載されているが、各ダムごとに具体的な中止となった理由を示されたい。
2 「事業の緊急性や地元状況等から、平成十年度の予算要求を行わず、代替案も含めた見直し検討を行うダム事業」につき一覧で記載されているが、各ダムごとに具体的な休止となった理由を示されたい。併せて、代替案も含めた検討とは、どのような検討をどのような手続で行うのか、各ダムごとに示されたい。
3 ダム事業を中止する場合と休止する場合とで、必要性や緊急性、地元状況等にどの程度の差があるのか、具体的に示されたい。
4 「平成十年度に最低限必要な基礎的調査以外に工事や調査を進めることができない(足踏み状態)ダム事業」につき一覧で記載されているが、なぜ最低限必要な基礎的調査以外を行わないという結論に至ったのか、各ダムごとに具体的に示されたい。
5 足踏みダム事業の基礎的調査の結果は国民に広く公表されるのか。公表されないとすればそれはなぜか。
6 足踏みダム事業に関して、その基礎的調査の結果をふまえて、中止あるいは休止という結論に至ることがあり得るのか。また、基礎的調査の結果は誰が、どのような手続で検討を加えるのか示されたい。

  右質問する。