質問主意書

第132回国会(常会)

答弁書


答弁書第三一号

内閣参質一三二第三一号

  平成七年七月十八日

内閣総理大臣 村山 富市   


       参議院議長 原  文 兵 衛 殿

参議院議員上田耕一郎君提出首都圏中央連絡道路(神奈川県境~一般国道二〇号間)建設事業及び八王子都市計画道路三・三・二号線建設事業の環境影響評価に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員上田耕一郎君提出首都圏中央連絡道路(神奈川県境~一般国道二〇号間)建設事業及び八王子都市計画道路三・三・二号線建設事業の環境影響評価に関する質問に対する答弁書

一について

 首都圏中央連絡道路の神奈川県境から一般国道二十号までの区間(以下「圏央道南区間」という。)の建設事業の環境影響評価書案に係る説明会については、東京都環境影響評価条例(昭和五十五年東京都条例第九十六号)第十七条第一項の規定に基づき、平成七年三月二十二日、八王子市陵南中学校において、適正に開催されたものと承知している。なお、本説明会においては、首都圏中央連絡道路に接続する八王子都市計画道路三・三・二号線の八王子市北野町から同市南浅川町までの区間(以下「三・三・二号線」という。)の建設事業の環境影響評価書案についても、併せて説明が行われたものと承知している。

二の(1)について

 自動車保有台数の予測数値は、将来における人口及び一人当たりの自動車保有台数の推計値を基に算出されているものと承知している。

二の(2)について

 圏央道南区間の建設事業の環境影響評価書案の計画交通量は平成二十二年における数値であり、首都圏中央連絡道路の一般国道二十号から埼玉県境までの区間(以下「圏央道北区間」という。)の建設事業の環境影響評価書の計画交通量は平成十二年における数値であると承知している。

二の(3)について

 圏央道南区間の建設事業の環境影響評価書案の大型車混入率は、同区間の近傍においてその機能が類似する道路の区間である一般国道十六号の八王子市鑓水地内ほか同市内の二地点及び一般国道百二十九号の厚木市内の一地点における観測結果を基に設定され、圏央道北区間の建設事業の環境影響評価書の大型車混入率は、同区間の近傍においてその機能が類似する道路の区間である一般国道十六号の八王子市滝山町地内ほか同市内の二地点、昭島市内の一地点及び瑞穂町内の二地点における観測結果を基に設定されているものと承知している。

二の(4)について

 三・三・二号線の建設事業の事業計画の目標時期である平成二十二年において、一日当たり二万千百台のうち、首都圏中央連絡道路と三・三・二号線の間で約六割、一般国道二十号と三・三・二号線の間でその余の交通量の出入りがあると見込まれているものと承知している。
 また、平成二年度において建設省が実施した自動車起終点調査の結果によれば、一般国道二十号の八王子市内における交通量のうち、同市及び日野市以外の区域を起終点の一方又は双方とする交通量は約五割と推計され、このうち、首都圏中央連絡道路及び三・三・二号線を利用することにより距離又は時間の面で有利となる自動車の交通が一般国道二十号から首都圏中央連絡道路及び三・三・二号線に転換するものと推定される。

二の(5)について

 三・三・二号線の計画交通量は、都市計画道路東京八王子線の一般国道十六号八王子バイパス以東と接続したものとして予測されているものと承知している。

三の(1)及び(2)について

 圏央道北区間の建設事業の環境影響評価書の作成に当たっては、接地逆転層に関する現地調査の結果に基づく風洞実験が実施され、当該評価書の作成に用いられたプルーム・パフモデルの予測式による大気汚染の予測の妥当性が確認されているものと承知している。圏央道南区間の建設事業の環境影響評価書案及び三・三・二号線の建設事業の環境影響評価書案の作成においても、圏央道北区間の建設事業の環境影響評価書の作成において用いられたプルーム・パフモデルの予測式が用いられており、これは、圏央道南区間及び三・三・二号線においても妥当するものとして用いられているものと承知している。

四の(1)について

 八王子市館町地内における三・三・二号線の道路交通騒音の予測は、同路線の利用に伴い発生する騒音を対象としているものと承知している。

四の(2)について

 道路交通騒音に関しては、建設省所管道路事業環境影響評価技術指針(昭和六十年建設事務次官通達)及び東京都環境影響評価技術指針(昭和六十二年東京都告示第八百三十五号)に基づき予測が行われているものと承知している。
 なお、三・三・二号線の建設事業の環境影響評価書案においては、地上一・二メートル以外の高さにおいても予測が行われており、その結果は同評価書案の資料編に掲載されている。

五について

 圏央道南区間の建設事業においては、掘削土から埋戻し土を差し引いた土砂が約六十四万二千立法メートル発生することが予想され、三・三・二号線の建設事業においては、掘削土から埋戻し土を差し引いた土砂が約二百二十六万立方メートル発生することが予想されているものと承知している。
 発生が予想される土砂の搬出を行う車両は主要な幹線道路を通行するものとし、その経路については事業実施段階において道路管理者等と協議の上で決定されるものと承知している。
 発生が予想される土砂の搬出を行う車両を含む工事用車両の台数については、圏央道南区間の建設事業にあってはピーク時で一日当たり約百八十台、三・三・二号線の建設事業にあってはピーク時で一日当たり約百五十台から約二百二十台と算定されているものと承知している。
 以上三点については、圏央道南区間の建設事業の環境影響評価書案及び三・三・二号線の建設事業の環境影響評価書案において明示されている。

六について

 圏央道北区間の建設事業の環境影響評価については、平成元年の都市計画決定に際して、最新のデータを用いて実施されたものであり、適切なものであると考える。