質問主意書

第132回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五号

内閣参質一三二第二五号

  平成七年七月四日

内閣総理大臣 村山 富市   


       参議院議長 原 文兵衛 殿

参議院議員西野康雄君提出運輸省鉄道施設耐震構造検討委員会第一次中間とりまとめ及び山陽新幹線等の運行再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員西野康雄君提出運輸省鉄道施設耐震構造検討委員会第一次中間とりまとめ及び山陽新幹線等の運行再開に関する質問に対する答弁書

一について

 学識経験者等で構成された「鉄道施設耐震構造検討委員会」による中間とりまとめは、それまでに調査、分析されたデータから山陽新幹線等の高架橋の被害原因についてその時点における推定を行ったものである。
 「座くつ」によるとの御指摘が、どのような分析結果によるものか不明であるので、これに対して見解を述べることは差し控えたい。
今後とも被害原因を含め、耐震構造の在り方等について検討を進めていくこととしている。

二について

 西日本旅客鉄道株式会社からは、施工業者については確認できないと聞いている。

三について

 復旧構造物については、実物大の供試体による試験結果から、鋼板被覆により柱のねばり強さに相当するじん性率が鋼板被覆前に比べ約五倍になり、その結果耐震性が約二・五倍に向上するとの検証が得られているところであり、運輸大臣の見解に則しているものと考えている。

四について

 六甲トンネルについては、トンネル内において、覆工コンクリートのはく離及びひび割れが発生した。復旧作業としては、これらの箇所にロックボルト等による補修などを実施している。

五について

 山陽新幹線及び東海道新幹線の復旧工事に当たっては、「鉄道施設耐震構造検討委員会」の意見を踏まえ、復旧工事計画の安全性に問題のないことを確認した。
 さらに、運行再開に当たっては、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第五十六条の規定に基づいて立入検査を行い、鉄道施設が復旧工事計画と合致していることを確認するとともに、実車走行による構造物の各種データにより、運行に支障のないことを確認している。

六について

 災害時の列車の安全、乗客の避難・誘導体制については、鉄道運転規則(昭和六十二年運輸省令第十五号)等に基づき、その具体的な実施方法を定めるよう各鉄道事業者に対し、従来から指導してきたところであり、今後とも各鉄道事業者を指導してまいりたい。

七について

 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた鉄道施設の耐震性の向上に関しては、現在「鉄道施設耐震構造検討委員会」で新たな耐震基準について検討中であり、同委員会の結論を得た上で、適切に対処するよう考えている。