質問主意書

第132回国会(常会)

質問主意書


質問第二八号

教範類の雑誌掲載に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成七年六月十五日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   教範類の雑誌掲載に関する再質問主意書

 私が先に提出した「教範類の雑誌掲載に関する質問」に対する政府答弁(一九九五年六月一三日)は、自衛隊の教範類の内容が株式会社朝雲新聞社が発行する月刊誌「MONTHLY ASAGUMO」(旧「月刊朝雲」)に掲載されてきた件につき、「政府としては、これについてお答えする立場にない」との簡単な答弁で済ませている。
 しかしながら、この問題は、自衛隊の運用にかかわる秘密事項が部外に流出した疑いのある重大な問題である。また、多数の現職自衛官が部内情報を刑事事件の渦中にあるオウム真理教に提供し、処分を受けている昨今、こうした問題に無関係を装う政府の答弁は無責任のそしりを免れない。よって再度政府の見解を明らかにするために以下質問する。

一 同誌に掲載された中に自衛隊の教範類の内容が含まれていることを政府は認めるか。

二 同誌に対し教範類の内容を提供した現職あるいは退職した自衛隊員が存在すると考えられるが、これに関し以下の点を明らかにされたい。

1 政府はこれについて調査をしたか、調査をしたのであればその結果。
2 もし政府がこれについて調査をしなかったのであれば、その理由。

三 教範類の内容が流失している具体的事例として、この他にも『「野外令」に見る管理者のルール』(二見道夫著、オーエス出版社、一九九四年五月二五日第一刷発行)という書籍がある。同書では陸上自衛隊教範「野外令」の内容が紹介されており、奥付の著者紹介によると著者は陸上自衛隊第五陸曹教育隊に在籍していたという。この経歴が事実だとすれば、著書は現職の自衛官の時に入手した教範を退職後にその内容を公開したものと考えられる。そこで以下の点を明らかにされたい。

1 防衛庁・自衛隊では自衛隊員が教範類を(貸与されるだけでなく)自己の所有とすることが認められているのか。
2 所有を認められているのであれば、その理由と法令上の根拠は何か。
3 「野外令」の内容には、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十九条第一項に規定する「秘密」に該当する事項が含まれているのか。
4 防衛庁・自衛隊では、自衛隊員が教範類の内容に関して退職後も漏らさないようにするための何らかの施策をとっているのか。
5 同書によって公開された「野外令」の内容は、「自衛隊の能力及び行動要領等を明らかにすることにつながり、防衛庁の所掌事務の遂行に支障を生じるおそれがある」(「教範類の「対国民秘」扱いに関する質問」に対する政府答弁(一九九三年七月二三日))と現在政府は考えているか。

  右質問する。