質問主意書

第132回国会(常会)

質問主意書


質問第一七号

防衛庁・自衛隊における法律秘の保全に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成七年五月八日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   防衛庁・自衛隊における法律秘の保全に関する質問主意書

 先に私が提出した「防衛庁・自衛隊における法律秘に関する質問」に対する政府答弁(一九九五年四月一一日)は、秘密保全に関する訓令(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号、以下「訓令」という。)に基づく秘密に指定されていないにもかかわらず、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十九条第一項に規定する秘密に該当するもの(以下「訓令秘に指定されていない法律秘」という。)の決定・解除等について明確な回答がないので以下質問する。

一 文書等が訓令秘に指定されていない法律秘に該当するか否かを判断するのは自衛隊員個々人なのか、それとも防衛庁が組織として判断するのかいずれなのか。

二 訓令秘に指定されていない法律秘が、それが秘密であることを解除される手続きが存在するのか。存在するのであればその内容を明らかにされたい。

三 防衛庁が法律秘に該当する文書等をあえて訓令秘に指定しない理由は何か明らかにされたい。

四 「防衛庁・自衛隊における秘密に関する再質問」に対する政府答弁(一九九五年三月二四日)によれば、私が要求した事故報告に関する達(昭和四十一年陸上自衛隊達第一二一-二号)の別紙第二から第四までの資料の提出に関して「同資料の提出に至る防衛庁における検討の過程において、同資料が自衛隊員の人事管理に係る事項を含んでいることもあり、提出を差し控えたいと申し上げたことはあるが、検討の結果防衛庁から提出したところである。」とのことであるが、この「提出を差し控えたいと申し上げた」ことは三度にわたる。
 一九九二年一一月五日に防衛庁政府委員室を通じて請求してから、第一回目が同年一一月九日に防衛庁政府委員室より口頭でなされ、第二回目が翌一九九三年四月一九日に人事局人事第一課の部員より口頭で、第三回目が翌二〇日に同じ部員より口頭で「提出を差し控えたい」旨の回答があった。これが一転して提出することになったのは、防衛庁における同資料の取扱いについての変遷をうかがわせるものであり、これに関し以下の点を明らかにされたい。

1 三度にわたる「提出を差し控えたい」との回答は、防衛庁の判断を伝えたものなのか、それともこの問題を担当する自衛隊員の判断を伝えたものなのか。
2 防衛庁の判断を伝えたものであるなら、一九九二年一一月五日から翌九三年四月二〇日の間、防衛庁は同資料が非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備していると考えていたのか。

五 陸上自衛隊第一空挺団所属の現職自衛官二名が自衛隊に関する情報を漏洩して本年四月二八日付で処分されたが、この件につき以下の点を明らかにされたい。

1 これら自衛官が漏洩した内容は何か、その全てを明らかにされたい。
2 その漏洩された内容は、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備していたのか。

  右質問する。