質問主意書

第132回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

陸上自衛隊における定数と現員との差に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成七年三月三日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   陸上自衛隊における定数と現員との差に関する再質問主意書

 私が先に提出した「陸上自衛隊における定数と現員との差に関する質問」に対する政府答弁(一九九五年二月二一日)は、質問に対して何一つ具体的な回答を行っておらず、政府の見解が不明なままであるゆえに再度以下質問する。

一 限定的かつ小規模な侵略について

1 「防衛計画の大綱」(以下「大綱」という。)でいう「限定的かつ小規模な侵略」とは、「一般的には、事前に侵略の『意図』が察知されないよう、侵略のために大掛りな準備を行うことなしに奇襲的に行われ、かつ、短期間のうちに既成事実を作ってしまうことなどを狙いとしたもの」(一九七七年版『防衛白書』五五頁)であるという政府の見解は現在も変わっていないのか。
2 もし前記見解が変更されているなら、現在政府が持つ「限定的かつ小規模な侵略」についての見解を明らかにされたい。

二 陸上自衛隊における定数と現員の差について

 政府は陸上自衛隊における定数と現員の差について、「有事においては充足するとの考え方の下、緊急に充足し得る職域等について部隊運営等に重大な支障を来さない範囲である程度充足を下げておくこともやむを得ない」と先の答弁で述べているが、そこで以下の点を明らかにされたい。

1 政府のこの見解は、大綱策定当初から有していたものだったのか。
2 政府のこの見解が大綱策定当初から有していたものではなかったのであるなら、こうした見解を有するに至った理由。
3 この度の阪神・淡路大震災はその被害規模を鑑みれば有事に匹敵するものと言える。ところが本来この地域の災害派遣にあたるべき中部方面隊の充足率は約七九%(中部方面総監「参議院内閣委員会に対する概況説明」一九九一年一〇月一五日)しかないが、今回に事態に当たって、部隊の人員の不足を緊急に充足し得たのか。

三 有事における充足について

1 政府は、陸上自衛隊における定数と現員の差を有事において充足するために、具体的にどのような手段を講じるつもりであるのか明らかにされたい。
2 政府がいう「緊急に充足し得る職域等」とは具体的に何を指しているのか明らかにされたい。

  右質問する。