質問主意書

第128回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一二八第四号

  平成五年十二月三日

内閣総理大臣 細川 護熙   


       参議院議長 原 文兵衛 殿

参議院議員立木洋君提出核兵器廃絶に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員立木洋君提出核兵器廃絶に関する質問に対する答弁書

一の1について

 核兵器の廃絶は我が国の究極的目標であり、今後ともすべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を求めていく所存であるが、この目標に向かうためには実現可能な具体的措置を一歩一歩進めていくことが肝要であり、現段階で期限を切った核兵器廃絶条約の提唱は考えていない。

一の2について

 核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号。以下「NPT」という。)は、核兵器国に対してのみ核兵器の保有を認めていることは認識している。
 NPT第六条は核軍縮交渉義務を定めている。我が国としては、核軍縮について特別の責任を負うすべての核兵器国が同条の規定に従い、一層の核軍縮努力を行い、究極的に核兵器が廃絶されるべきであると考える。
 国際的な安全保障を確保するために核不拡散体制を安定的なものとするとの観点から、我が国としてはNPTの無期限延長を支持するものである。

二について

 世界の平和と安全が、最終的には、核兵器を含む軍事力による抑止により保たれていることは事実であると認識している。

三の1及び2について

 広島市及び長崎市に対する原爆投下も含め、核兵器の使用が国際法違反であるとは言いきれないが、国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義に合致しないものであるとの意味において国際法の精神に反すると考えている。

三の3について

 世界の平和と安全が最終的には核兵器を含む軍事力による抑止により保たれているとの現実にかんがみ、核兵器の使用を禁止する本件決議案には慎重に対処する必要があると考えており、我が国は同決議案に棄権してきている。

四について

 我が国には固有の自衛権があり、自衛のための必要最小限度の実力を保持することは、憲法第九条第二項によっても禁止されているわけではない。したがって、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、それを保有することは、必ずしも憲法の禁止するところではない。他方、右の限度を超える核兵器の保有は、憲法上許されないものである。政府は、憲法の問題としては、従来からこのように解釈しており、この解釈は、現在でも変わっていない。
 なお、憲法と核兵器の保有との関係は右に述べたとおりであるが、我が国は、いわゆる非核三原則により、憲法上は保有することを禁ぜられていないものを含めて政策上の方針として一切の核兵器を保有しないという原則を堅持し、また、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)及びNPTにより一切の核兵器を保有し得ないこととしているところである。

五について

 非核三原則を堅持することについては、これまで歴代の内閣総理大臣の施政方針演説等において繰り返し表明されており、既に内外に十分周知徹底されている。政府としては、今後ともこれを堅持する方針である。したがって非核三原則を改めて法制化する必要はないと考える。

六について

 御指摘の原子爆弾被爆者等援護法案については、一般戦災者との均衡上基本的な問題があることや現在の与党各会派のすべてが共同提案者であったものではないことから、与党内の検討を踏まえ、慎重に対応すべきものと考えている。

七について

 非核宣言を行う地方公共団体があることは承知しているが、政府としては今後とも非核三原則を堅持する方針である。