質問主意書

第126回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質一二六第一七号

  平成五年七月十三日

内閣総理大臣 宮澤 喜一   


       参議院議長 原 文兵衛 殿

参議院議員堀利和君提出障害者の健全子宮摘出問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員堀利和君提出障害者の健全子宮摘出問題に関する質問に対する答弁書

一について

 新聞で報道された三例に関して、文部省が当該地方の国立大学に調査を依頼し、報告を受けた結果については、現段階においては次のとおりである。
 そのうちの二例は、浜松医科大学において、川島吉良産婦人科教授及び寺尾俊彦同助教授(現教授)の指導の下に、昭和六十一年六月二十六日及び昭和六十二年四月十三日に行われた手術を指していると思われるが、その内容は、それぞれ、子宮腺筋症との診断に基づき子宮を摘出したもの、右卵巣腫瘍の茎捻転との診断に基づき子宮等を摘出したものであったというものである。
 その他の大学からは、該当する事例はない旨の報告を受けている。
 また、厚生省において、当該地方の府県の衛生関係部局等を通じ、情報の収集に努めてきたところであるが、現段階において、本件に関する情報は得ていない。

二について

 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であるので、答弁を差し控えたい。
 また、その他の点についても、現時点において詳細な事実関係が明らかでないので、答弁を差し控えたい。

三及び四について

 一についてにおいて述べたとおり、御指摘の新聞報道の内容が事実であるとの報告には接していないので、当該新聞報道の内容が事実であることを前提とした答弁は差し控えたい。

五について

 法務省の人権擁護機関としては、報道されている事案について、現在、関係法務局において、人権擁護の観点から情報の収集に努めているところである。

六について

 優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)の取扱いに関しては、今後とも、慎重に検討してまいりたい。