質問主意書

第125回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

国際連合平和維持活動等に対する協力への自衛隊の参加規模に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成四年十二月八日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   国際連合平和維持活動等に対する協力への自衛隊の参加規模に関する再質問主意書

 「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(以下「PKO協力法」という。)の成立及び「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」の一部改正に基づき自衛隊には新たな任務が付与されることになったが、これは本来の任務の支障となることが考えられる。既に「PKO一つで大騒ぎなのに、もしも国際緊急援助隊の派遣や国内の災害派遣が重なったら一体どうなってしまうのだろう」(『セキュリタリアン』九二年一〇月号九頁)という疑問も呈されている。また私が第一二一回国会において提出した「国際連合平和維持活動等に対する協力への自衛隊の参加規模に関する質問」に対する政府の答弁についても不明な点があるので、さらに質問したい。

一 政府が「カンボディア国際平和協力隊の設置等に関する政令」を制定した九二年九月一一日現在において、「PKO協力法」第六条第六項でいう「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度」で参加できる自衛隊の規模の上限を明らかにされたい。

二 1 国際緊急援助隊への自衛隊の参加に当たっては、参加人数の上限はあるのか。
2 国際緊急援助隊への自衛隊の参加と同時期にPKO協力法に基づく自衛隊の派遣がある場合、PKO協力法に基づき国際協力業務に従事する者の数の上限は二千人なのか。
3 一において参加できる自衛隊の規模の上限は、同時期に国際緊急援助隊への自衛隊の参加があっても変わらないのか。

三 「第一次カンボディア派遣施設大隊」の大部分を派遣している第四施設団は中部方面隊に所属しているが、中部方面隊全体の自衛官の充足率は約七九%(「参議院内閣委員会に対する概況説明」 九一年一〇月一五日 中部方面総監)である。第四施設団の充足率が同程度であるなら、今回の派遣で同施設団の充足率はさらに低下しているはずであるが、現状において中部方面隊及び同施設団は「任務に支障」が生じていると思われるが、政府の認識はどうか。

四 現在航空自衛隊はC-130を一五機保有し、そのすべてが航空自衛隊航空支援集団第一輸送航空隊(小牧基地)に所属している。この一五機のうち定期検査中の二機を除く一三機が可動状態にある(『朝雲』九二年八月一三日)。残り一三機のうち二機は国際緊急援助隊派遣のため四八時間以内に飛べる待機態勢に入っている。さらに残る一一機もカンボディアへの空輸支援にとられている。例えば本年九月二三~二七日にかけて三機、さらに同月二四~二八日にかけて三機がカンボディアへの空輸支援に派遣されている(『朝雲』九二年一〇月八日)。すなわち本年九月二四~二七日にかけて自衛隊の本来の任務に使用できるC-130は五機しかなかったことになる。こうした現状において航空自衛隊航空支援集団及び第一輸送航空隊は「任務に支障」が生じていると思われるが、政府の認識はどうか。

  右質問する。