質問主意書

第122回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

自衛のための必要最小限度の武力の規模に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三年十一月八日

翫 正敏   


       参議院議長 長田 裕二 殿


   自衛のための必要最小限度の武力の規模に関する質問主意書

 政府は、自衛のための必要最小限度の武力を保有できるという見解を採っているが、その規模(言い換えれば、必要最小限度の自衛力の上限)に関しては明確にしていない。よってこの点を明らかにするために以下質問する。

一 必要最小限度の自衛力の規模について

1 憲法上認められた必要最小限度の自衛力の規模には上限が存在するのか。存在するのであれば、上限は何によって定められるのか明らかにされたい。
2 この上限は固定的なものなのか、あるいは平時・有事などの状況の変化にともない連動する可変的なものなのか。

二 必要最小限度の自衛力と防衛計画の大綱との関係について

1 防衛計画の大綱が定める防衛力は、政府が平素から言う必要最小限度の自衛力を満たすものなのか。
2 「防止力」(「防衛を考える会事務局」編『わが国の防衛を考える』-一九七五年九月朝雲新聞社発行-四二頁)と必要最小限度の自衛力とは同義であるのか。もし違うのであればその違いについて明らかにされたい。
3 防衛計画の大綱が想定する「限定的かつ小規模な侵略」は、「地域的に限定されたもの」(一九八七年八月二七日衆議院内閣委員会における西廣防衛庁防衛局長答弁)とされているが、その地域的範囲は「自衛隊法施行令」第一四条及び第二七条の定める「警備区域」におおよそ該当するのか。もし該当しないのであれば、その範囲を明らかにされたい。
4 現在陸上自衛隊の総数は、大綱が定める一八万人をはるかに下回る一五万一四五〇人(平成三年度版『防衛ハンドブック』)しかいないが、このような状態でも陸上自衛隊は「限定的かつ小規模な侵略」に十分対処できるのか。

  右質問する。