質問主意書

第121回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一二一第一三号

  平成三年十一月一日

内閣総理大臣 海部 俊樹   


       参議院議長 長田 裕二 殿

参議院議員翫正敏君提出「湾岸危機」、「湾岸戦争」における集団的安全保障と集団的自衛権に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員翫正敏君提出「湾岸危機」、「湾岸戦争」における集団的安全保障と集団的自衛権に関する質問に対する答弁書

一について

 国家は国際法上自衛権を有しているが、イラクのクウェイト侵攻については、我が国が自衛権を行使するような状況にあったわけではないので、御質問のような状況であったか否か等につき我が国として判断する立場にはない。

二について

 国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議の有権的解釈を行うのは安保理であるが、例えば、安保理決議六六一(千九百九十年八月六日採択)により決定された経済制裁措置は、国際連合憲章第四十一条に基づくものであったと考えられる。

三について

 御質問の「集団的安全保障の措置が採られた後で行使された集団的自衛権に基づく措置」の意味が明らかでなく、また、我が国として他国が集団的自衛権を行使したか否かについて必ずしも判断する立場にはない。

四について

 国際連合憲章第五十一条にいう「必要な措置」が採られたか否かの判断は、個々具体的な場合において必要に応じ行われるものと考えられるが、イラクのクウェイト侵攻については、我が国が自衛権を行使するような状況にあったわけではないので、我が国としてかかる判断を行う立場にはなく、また、我が国として他の主体がかかる判断を行うことが必要な状況にあったのかどうかについて述べる立場にもない。