質問主意書

第118回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質一一八第二号

  平成二年六月五日

内閣総理大臣 海部 俊樹   


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員吉川春子君提出防衛本庁の市ケ谷移転計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員吉川春子君提出防衛本庁の市ケ谷移転計画に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 防衛庁本庁庁舎等の移転計画(以下「移転計画」という。)は、防衛本庁等いわゆる防衛中枢を檜町地区から市ケ谷地区に移転させ、これに伴い、首都及びその近郊の防衛施設の再配置を図るものである。これは防衛中枢の所在する檜町地区周辺の商業地化が進んでいるため、国有財産の有効利用の観点から計画したものであり、防衛中枢を市ケ谷地区に集中させることを目的とするものではない。

三について

 移転計画は、防衛施設の再配置を図るものであり、機構・機能の改善を図るためのものではない。

四について

 昭和六十三年度予算により実施した基本設計においては、御指摘の防衛庁内部部局、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部、統合幕僚会議、調達実施本部及び防衛施設局のすべてを同一庁舎に配置させる計画はない。また、中央指揮所についても、旧軍の地下壕を改装し使用する計画はない。
 移転計画により市ケ谷地区において取得する施設にどのような器材を設置するかについては、今後の検討に係る問題であり、申し述べる段階にない。

五について

 防衛庁としては、現在、情報関係組織の在り方について検討を行っているが、いまだその内容を申し述べる段階にない。

六について

 移転計画により施設の再配置を実施した後の各地区ごとの主な再配置機関等の名称及び所在人員数は、別表一のとおりである。

七について

 檜町、市ケ谷、十条、目黒、大宮、朝霞及び霞ケ浦地区の主な建物等の名称、建面積及び規模は、別表二のとおりである。

八について

 移転計画による施設整備については、昭和六十三年度から着手しており、同年度予算においては市ケ谷、十条、目黒、大宮、朝霞及び霞ケ浦の六地区に係る調査工事費及び基本設計費を計上し、また、平成元年度予算においては同六地区に係る環境調査費並びに大宮、朝霞及び霞ケ浦の三地区に係る実施設計費を計上したところである。
 平成二年度予算案においては市ケ谷、十条及び目黒の三地区に係る実施設計費並びに市ケ谷、目黒、大宮、朝霞及び霞ケ浦の五地区に係る庁舎等の本工事費を計上している。

九について

 移転計画に係る総経費は、現時点において確定的なことは申し上げられないが、現在のところ約三千億円程度となるものと考えている。

十について

 檜町地区の移転跡地については、移転計画の策定に当たり、近隣の公示価格等を総合勘案して処分の見込価額を算定したが、その額の具体的な開示については、将来の同跡地の処分価額に予断を与えるおそれがあることから、答弁することは差し控えたい。
 なお、移転計画に係る所要経費は、これにより賄える見込みである。

十一について

 防衛庁は、昭和三十五年以降檜町地区を使用しているが、同年以降建設した主な施設は、防衛庁本館庁舎、防衛施設庁庁舎、中央指揮所等であり、これらの工事費の総額は約六十億円である。
 また、中央指揮所は、防衛出動等の自衛隊の行動等に関して、防衛庁長官が情勢を把握し、適時所要の決定を行い、部隊等に対し命令を下すまでの一連の活動を迅速かつ的確に実施することを目的とするものである。檜町地区に所在する中央指揮所については、防衛中枢の同地区から市ケ谷地区への移転に伴い、取り壊すこととなる予定である。

別表一~別表二 1/3

別表一~別表二 2/3

別表一~別表二 3/3