質問主意書

第117回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一一七第四号

  平成二年二月六日

内閣総理大臣 海部 俊樹 


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員清水澄子君提出新石垣空港新予定地での自然保護上の問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員清水澄子君提出新石垣空港新予定地での自然保護上の問題に関する質問に対する答弁書

一について

 環境庁が実施した石垣島周辺海域等サンゴ生息現状調査(以下「環境庁調査」という。)の二十二地点のうちの一つが御指摘のカラ岳東海域(以下「新予定地」という。)の北端部付近の海域であるが、調査に際しては、この調査地点と併せて新予定地の南側のリーフ(礁緑)寄り(以下「南側のリーフ寄り」という。)についても遊泳による概況把握調査を行っている。

二について

 新予定地の北端部付近の海域の調査地点における調査ステーションでの生サンゴ被度の平均が十四パーセントであった。

三について

 南側のリーフ寄りについての遊泳による調査結果については、地図は作成していないが、自然保護団体が指摘する海域とは場所的に重なりがあるものと考えられる。

四について

 南側のリーフ寄りについては、遊泳による調査を行ったほか、空中写真や関連資料を収集し、枝状ハマサンゴ、枝状ミドリイシ等の比較的良好な生息域が存在することは確認している。また、この生息域は、汀線から六百メートル程度、埋立予定地からも三百ないし五百メートル程度離れており、工事に十分な配慮がなされれば支障が生じるおそれはないと判断した。

五について

 新予定地の周辺については、一部良好なサンゴの生息域が存在するものの、全般的には、白保海域と比較すればサンゴの生息状況に関する評価は低いと判断したものである。なお、枝状ハマサンゴ類については、川平湾外、川平小島沖等の調査地点で高被度域を確認している。

六について

 環境庁としては、魚類の産卵場についての調査は実施していない。

七について

 環境庁調査は、石垣島周辺のサンゴ礁との比較における白保海域のサンゴ礁の評価のための調査として実施したものである。

八について

 新予定地と轟川より南の海域との間には、途中二箇所のリーフの切れ目(水道部)があること、轟川河口が存在すること、また、轟川の北側においては、轟川河口から水道部へ向かう北向きの流れが支配的であることから、新予定地における工事が轟川以南の白保海域に及ぼす影響はほとんどないと判断したものである。

九から十一までについて

 国土地理院によるカラー空中写真(昭和六十二年一月撮影)のほか、環境庁調査における遊泳による調査、関連資料の収集を行い、総合的に、北向きの流れが支配的であるという判断を行った。

十二について

 環境保全に関する措置については、沖縄県が公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の手続の中で明らかにするものであるが、環境庁としては、沖縄県の求めに応じ、必要な助言又は指導を行うこととしており、これまでにも、環境庁調査の結果を踏まえ、工法等についても慎重に検討する等環境保全に十分配慮するよう指摘したところである。