質問主意書

第116回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇号

ビーチクレスト90と沖縄の空の安全に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年十二月十五日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   ビーチクレスト90と沖縄の空の安全に関する質問主意書

 去る十二月五日から同十二日までの八日間にわたって、ビーチクレスト90と名付けられた在沖縄米海兵隊と空軍、海軍の合同演習が沖縄本島北部や周辺訓練空域などで行われた。
 特に、今回冬場の民間機の那覇空港への出発、進入路となる伊江島北西沖に臨時の訓練空域「アルトラブ」を設定したことで、「民間航空機の安全運航上、好ましくない。」として全運輸労組沖縄航空支部や南西航空乗員組合等が反発し、抗議の姿勢を明らかにした。もちろん、沖縄県民も同様の姿勢である。
 しかも、実際に南西航空の那覇、与論島間の定期便に、米軍から飛行ルートや飛行高度の変更の強制等の指示が出されて、運航に支障が生じたのである。これは、運輸省と米軍との事前の約束にもとることである。
 よって、以下の質問をする。

一 南西航空与論便については、運輸省那覇航空交通管制部と米軍との事前調整で、「与論便運航時には米軍訓練機は飛ばさず、与論便は通常どおりの運航ができる。」ことになっていたとのことであるが、実際にはその運航に支障が生じている。したがって、政府はこの点について、米側に抗議すべきであると考えるが、その意思はあるのか。

二 今後も、米軍が同様の演習を反復実施する可能性は高いと思われるが、今後、沖縄周辺の空域において同様の演習が実施される場合には、政府はそれを中止させるか、少なくとも訓練場所を民間航空機の運航及び国民生活に支障のない他の場所へ変更させるべきであると思うが、どうか。

三 政府は、今後、米軍演習の頻発する沖縄周辺空域における民間航空機の飛行の安全確保については、どのような配慮をするのか。

四 昨今の国際情勢下では、国民生活を犠牲にしてまで、軍事演習を優先させる必要性も妥当性もないと思うが、政府の見解はどうか。

  右質問する。