質問主意書

第116回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

千九百八十三年九月一日のサハリン上空における大韓航空〇〇七便遭難事件並びに千九百八十七年十一月二十九日のタイ、ビルマ付近における大韓航空機行方不明事件についての真相究明に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年十一月二十二日

瀬谷 英行   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   千九百八十三年九月一日のサハリン上空における大韓航空〇〇七便遭難事件並びに千九百八十七年十一月二十九日のタイ、ビルマ付近における大韓航空機行方不明事件についての真相究明に関する質問主意書

 本年十月の衆議院予算委員会における政府委員の答弁によれば、タイ、ビルマ付近における大韓航空機爆破事件は、北朝鮮による組織的テロ行為によるものとの判断を下している。機体も乗員乗客の遺体遺品も一切不明のまま、逮捕された一女性の自供と称するものだけで、一国の組織的犯罪行為と断定することに無理がないのか、また政府委員の答弁に果たして誤りがないかどうか、多くの疑問が尽きない。
 よって、真相解明の一助として千九百八十三年九月一日のサハリンにおける大韓航空〇〇七便遭難事件とともに次の諸点を明らかにされたい。

一 千九百八十三年九月一日の大韓航空〇〇七便遭難事件について

(一) 千九百八十九年八月二日(現地時間)、ワシントンのアメリカ連邦地裁は、本件の犠牲者遺族が大韓航空を訴えていた事件に関し、損害賠償の支払いを会社側に命ずる評決を下したと聞くが、その要旨はいかなる内容か。日本文で明らかにされたい。
(二) 右評決の内容について、日本政府は、どのように評価するのか。それを妥当と認めるのか。
(三) 本件についてのICAO報告を再検討する必要があるとの考えはないのか。

二 千九百八十七年十一月二十九日のタイ、ビルマ付近で行方不明となった大韓航空機事件について

(一) 機体の捜索は完全に打ち切られたのか。それとも継続して行われているのか。
(二) 北朝鮮による組織的テロ行為と断定する根拠は、この飛行機爆破の犯人とされている「金賢姫」の自供だけなのか。
(三) 日本側による「金賢姫」に対する事情聴取又は旅券法違反等の取調べが行われたことはあるのか。
(四) 日本における今日までの捜査活動によって、「金賢姫」の自供を裏づける何らかの事実(恩恵と称する日本人教育係の身辺等)を発見することはできたのか。
(五) 不特定の日本人が北朝鮮側によってら致連行され、「金賢姫」自供のような任務についているとの事例及びその確証は存在するのか。

  右質問する。