質問主意書

第114回国会(常会)

質問主意書


質問第二三号

「実習助手」、「寮母」の給与改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年六月二十日

吉川 春子   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   「実習助手」、「寮母」の給与改善に関する質問主意書

 「実習助手」、「寮母」は、学校教育法に基づいて高校、障害児学校に配置され、他の教員とともに児童・生徒への教育的指導や学校教育に重要な役割を担っている。
 しかるに「実習助手」、「寮母」の賃金は、その役割に反して長期にわたり極めて低い水準のまま放置されてきている。
 私は千九百八十五年、本院文教委員会において、盲・聾・養護学校の寄宿舎の「寮母」の実態を取り上げ、給与の改善を要求した。
 その後、千九百八十五年度に昇給曲線の手直しや俸給の号俸の上積み(三十八号俸)が行われ、千九百八十六年度には宿日直手当の引上げが行われるなど、一定の改善がなされた。しかしながら、同じ教育職員である教育職二級の教諭と比較すれば、四十三歳から頭打ちの現状であり、退職金、退職年金をも考慮すると依然として大きな格差となっている。これでは、「実習助手」、「寮母」の勤労意欲に否定的な影響を与え、さらには、学校教育に支障を来すことになりかねない。
 今日、教育職員として「実習助手」、「寮母」の教育上の身分を向上させ、生活不安を取り除き他の教育職との均衡を回復することは、行き届いた教育を保障する点で大切な課題である。
 よって、次のとおり質問する。

一 教育職俸給表二表一級の俸給月額を大幅に引き上げ、号俸を増やすなど抜本的に改善し、他職種との不均衡を是正すべきであると考えるがどうか。

二 現在、多くの都道府県で「実習助手」に対し二級昇格措置が実施されているが、この措置は全国的に適用されるよう、関係自治体を指導すべきだと考えるがどうか。

三 この「実習助手」に対する二級昇格措置は、当然のことながら「寮母」にも適用され、同様の改善措置を採るべきであると思うがどうか。

四 以上、「実習助手」、「寮母」に対する給与改善措置は、長年にわたる懸案事項であり、これ以上放置することは許されない。したがって、この問題を早急に解決するため、改善措置を本年度の人勧に盛り込むべきだと考えるがどうか。

  右質問する。