質問主意書

第114回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇号

「予算の空白」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年六月五日

中野 鉄造   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   「予算の空白」に関する質問主意書

 去る五月二十七日に三十五年振りに自然成立した平成元年度予算は、暫定補正予算が閣議決定されるも国会に提出されなかったために、過去最長であった五日間を上回る七日間のいわゆる「予算の空白」を生じさせた。昭和五十三年度以降、予算の空白が恒常化しているだけでなくその期間が長期化していることは、誠に遺憾である。
 財政民主主義の原則から見れば一日たりとも予算の空白が許されないことは、当然のことである。参議院予算委員会は、昭和五十七年四月三日の植木予算委員長見解以来、予算の空白を絶対に避けるため、暫定予算の提出等各般の対策に万全を期するよう強く政府に要望し、昭和六十一年三月二十八日には予算委員会の決議に基づく安田予算委員長見解、さらに昭和六十三年四月七日にも原予算委員長見解を表明してきたところである。
 しかし、政府はこれらの諸見解を全く無視し今回も予算の空白を生じさせた。このような事態が政府によって繰り返されることは決して許されない。
 以上の点から、次の項目について質問する。

一 財政法第三十条に規定されている暫定予算編成にかかわる「必要に応じて」の判断基準について、政府は従来から「国政の円滑な運営に支障が生ずることとなる場合であり、本予算を審議する国会の状況等を勘案して、内閣で行うもの」との見解を示してきている。政府は今回国政上どのような支障が生じ、また、国会の状況等をどう判断した結果、暫定補正予算を編成し閣議決定したのか、その判断及び編成開始の時期も含め詳細に説明されたい。

二 閣議決定された本年度暫定補正予算を、予算の空白状態にあるにもかかわらず国会に提出しなかった理由は何か、説明されたい。

三 本年度において空白期間は過去最長の七日間となっている。本来、一日の空白も許されないにもかかわらず、政府はごく短い限られた期間であれば、立替払等によって財務処理が可能であるとしてきたが、そう判断する根拠を示されたい。さらに、ごく短い限られた期間とは財務処理の面からどの程度と考えているのか、その具体的根拠も含め詳細に説明されたい。

四 政府が暫定補正予算編成において、国政の円滑な運営に支障が生ずると判断した事項を示されたい。また、今回の空白期間七日間において、支払いを必要とする経費に対する科目別の対応措置と事後処理については、その日付と共に説明されたい。

  右質問する。