質問主意書

第114回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

海上自衛隊舞鶴基地等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年二月二十二日

佐藤 昭夫   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   海上自衛隊舞鶴基地等に関する質問主意書

 海上自衛隊は、京都府舞鶴市に対潜ヘリコプター搭載の護衛艦配備に伴うヘリ基地建設計画を発表するとともに、来年度予算案においては調査費百万円、また舞鶴港の出入口にある経ケ岬(丹後町)のレーダー改修費五十八億円を計上した。さらに、一月には三千トン級のヘリ搭載護衛艦「みねゆき」を配備し、来年度には同様にヘリ搭載護衛艦「はまゆき」を配備する計画と言われ、これで海上自衛隊は舞鶴基地を含め「八・八艦体制」を確立する。また、ヘリ基地整備後には、長崎県大村市の一二三航空隊(十機の対潜ヘリ)も舞鶴に配備するとの報道もあり、舞鶴基地は一挙に大増強されることになる。
 米国はわが国に対して、「急速に増大する国力と影響力に見合った一層の共通防衛のための分担増を求める」(千九百九十会計年度国防報告)とともに、政府は「日米協力、責任分担」を唱え、昨年八月、横須賀を核トマホーク積載艦である巡洋艦、駆逐艦の母港に提供した。
 こうした中で、舞鶴基地の位置づけが、米国並びに海上自衛隊にとってますます重要なものとなることは必至である。
 このような海上自衛隊舞鶴基地に関して、以下質問したい。

一 海上自衛隊は、舞鶴市に対潜ヘリコプター基地を建設するため調査費を来年度予算案に計上している。そこで、

1 ヘリ基地建設に必要な予算と面積、対潜ヘリコプターの配備計画を明らかにされたい。
2 このヘリコプター基地の任務は何か。また、米軍は一切使用することはないのか、明らかにされたい。

二 舞鶴に配備される対潜ヘリコプターの機能はどのようなものか。

(一)ヘリコプターの機種、(二)機体長、(三)重量、(四)発動機(馬力と数)、(五)航行距離、(六)最高速度、(七)ミサイルなどの火力装備、(八)乗員数を明らかにされたい。

三 経ヶ岬のレーダーについて、防衛庁は来年度予算案で改修する予定だが、レーダーの機能をどのように強化するのか。

(一)新たに導入するレーダーの機種、(二)カバー範囲、(三)機能の内容、特に従来の機種とは異なった新たな特徴について、具体的に明らかにされたい。
 さらに、海上自衛隊舞鶴基地へのヘリ基地建設計画との関連はどうか。

四 過去六年間に、舞鶴軍港に寄港した米艦船の状況はどのようなものであったか。寄港期間、艦船名、艦種、寄港目的を明らかにされたい。
 また、舞鶴寄港米艦船のうち、核兵器積載可能艦船名を明らかにされたい。

五 舞鶴を定繋港とする海上自衛隊の艦艇について、(一)すべての艦名、(二)そのトン数、(三)今後の配備予定艦を明らかにされたい。
 また、この六年間に舞鶴を定繋港とする艦艇が参加した日米共同演習の状況はどのようなものであったか。

(一)その演習名、(二)演習期間、(三)参加艦艇名(日米双方)を明らかにされたい。

六 舞鶴地方総監は、ヘリ基地建設予定地として舞鶴市雁又地区を挙げている(千九百八十八年十一月二十四日の記者会見)。しかし、この地域は旧軍港市転換法に基づいた適用地域である。千九百五十年に制定された旧軍港市転換法について、舞鶴市民は、その賛否を問う住民投票で「軍依存の都市から転換して、平和産業港湾都市として永久に発展する」ことを決めた。よって、この雁又地区への建設は、この法の趣旨に反するものと言えるのではないか。
 また、舞鶴基地は、日米共同作戦強化体制のもとで、米国が行う対ソ戦の重要基地として強化され、舞鶴市民はもとより京都府民をも核戦場化の危険に巻き込むものである。よって、海上自衛隊による対潜ヘリコプター基地建設計画は、中止すべきではないか。
 以上の二点について、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。