第113回国会(臨時会)
答弁書第一五号
内閣参質一一三第一五号 昭和六十三年十一月十五日 内閣総理大臣 竹下 登
参議院議員千葉景子君提出刑事施設法案、留置施設法案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員千葉景子君提出刑事施設法案、留置施設法案に関する質問に対する答弁書 一及び二について 刑事施設法案及び留置施設法案の立案の過程においては、両法案と市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和五十四年条約第七号。以下「国際人権B規約」という。)との整合性を念頭に置いて検討を行つた。 三について 国際人権B規約作成時の審議の経緯等を参考とした。 四について 留置施設法案及び刑事施設法案は、国際人権B規約第七条及び第二条に違反するものとは解していない。 1 留置施設法案は、被留置者の適切な処遇を確保するため、不適切な処遇に関する救済措置として、留置業務管理者に対する苦情の申出及び警察本部長に対する苦情の申出に関する規定のほか、警察本部長に対する審査の申立てに関する規定(第三十六条)を設けている。また、留置施設法案は、警察本部長の指定する職員による留置施設の実地監査に関する規定(第六条)及び警察庁長官の指定する職員による留置施設の巡視に関する規定(第七条)を設け、監督機関による監督を通じて被留置者の適切な処遇を確保することとしている。さらに、留置施設の被留置者が留置施設法案に規定されている行政上の救済措置によつてもなお不服があるときは、行政事件訴訟法又は国家賠償法の規定により司法救済を求めることができる。
五について 国際人権B規約第十七条及び第二条の規定は、外国語による面会又は信書の発受について、通訳ができる者による立会いの補助又は内容の検査のための翻訳に係る費用をいかなる場合でも公費で負担しなければならないことを求める趣旨ではないと解される。 |