第113回国会(臨時会)
質問第一八号
耳納山麓国営総合かん排事業の計画変更に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十三年十一月二十九日 諫山 博
耳納山麓国営総合かん排事業の計画変更に関する質問主意書 福岡県浮羽郡吉井町、浮羽町、田主丸町、久留米市にまたがる耳納山麓国営総合かん排事業は、昭和四十六年に着工され、昭和五十三年に完成する予定であつたが、今なお完成せず、事業開始後約十五年たつて突如事業計画変更案が提示され、地元負担額が大幅に増えそうだというので、大問題になつている。
一 昭和六十二年十二月九日の参議院農水委員会の場等で農水省は、土地改良事業参加者の三分の二以上の同意は得ていないが、土地改良区の総代会などで随時説明してきたと、いかにも総代会での説明が、農民の三分の二以上の同意に代わり得るものであるかのような言い方をしている。しかし、土地改良法第八十七条の三第一項の「同意」は、「総代会等での説明」で代えることはできないのではないか。 二 土地改良法第八十七条の三第一項の「同意」は、あらかじめ取ることとなつているのではないか。事後承諾で足りると考えているのか。 三 「合所ダム」は当初の計画段階と比べて、建設省令の変更等もあつて工法及び工事費が大幅に変更されたが、これはあらかじめ「同意」を得べき土地改良事業の変更ではなかつたのか。 四 頭首工の位置は、当初農民の合意を得た計画地点から大きく外れているが、これはあらかじめ「同意」の対象とは考えていなかつたのか。 五 幹線水路の位置及び形状は、当初農民の合意を得た地点から外れ、また形状も地下導水方式に変わるなど変更されているが、これもあらかじめ「同意」の対象とは考えていなかつたのか。 六 本件かん排事業を巡る混乱は、農水省が土地改良事業計画を変更する場合にはあらかじめ土地改良事業参加者の三分の二以上の同意を得なければならないのに、これを怠つて、事業参加者の同意のない事業計画に従つて工事を行い、既に多額の工事費をつぎこんだところから始まつている。政府は、既成事実を農民に押し付ける結果になつていることを率直に反省し、そのことを農民に説明し、農民負担の大幅軽減を基本とし、かつ自治体に負担を押し付けることなく今後の処理にあたるべきだと思うが、どうか。 右質問する。 |