第112回国会(常会)
質問第一二号
杉の花粉症対策としてのディーゼルエンジンの使用制限に関する再質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十三年四月十八日 木本 平八郎
参議院議長 藤田 正明 殿 杉の花粉症対策としてのディーゼルエンジンの使用制限に関する再質問主意書 去る三月二十五日付け杉の花粉症対策としてのディーゼルエンジンの使用制限に関する質問に対する答弁書(内閣参質一一二第七号)の答弁内容は、質問の主意を反らし、問題の所在をあいまいにしているので、政府の方針並びに考え方について重ねて見解を伺いたい。 一 答弁書「一について」及び「二について」において、政府はディーゼル自動車から排出される粒子状物質については、昭和六十四年度中に行われる予定の中央公害対策審議会の答申を待つ姿勢のようだが、杉の花粉症対策をそれ程軽く考えているのか。試行錯誤をしても即時対策に乗り出すべきと考えるがどうか。 二 答弁書「三について」において、軽油引取税の税率引上げについて『地方道路特定財源としての本税の性格等から適当でない』と答弁しているが、これは逆ではないのか。むしろ軽油引取税が増収になれば道路財源が増えるのではないか。 三 同じく答弁書「三について」において、政府は『国民の健康問題よりもディーゼルエンジンのメーカーや使用者の利益あるいは地方道路特定財源の問題の方が重要と考えている』と受け取れるがどうか。 四 答弁書「四について」は、国内における石油精製(消費地精製主義)を基としていると思われるが、昨今の国際的要請による日本市場の開放、製品輸入の拡大を踏まえると石油製品の需給は輸入により十分調整できるので、政府のスタンスは、国民の健康よりも石油関係業界の秩序維持や業者擁護を優先していると考えられるがどうか。もし否なら、ディーゼルエンジンの使用制限に向かつてよいはずではないか。 五 答弁書「五について」及び「六について」において、政府は国民の生活水準の向上のためには国民の健康維持・促進よりも生産性の向上の方が大事と考えているのか。『日本が世界第一の経済大国になつた今日、生産性の向上を犠牲にしても国民の健康維持・促進を優先すべし』という考え方に対する政府の見解を明確に示されたい。 右質問する。 |