質問主意書

第112回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

マンション問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十三年一月二十九日

塩出 啓典   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   マンション問題に関する質問主意書

 近年、マンションは永続的な生活の場として見直されつつあり、建設戸数も急増しているが、それに伴いマンションの居住性能、管理条件、売買関係などについての不満、苦情が続発している。とりわけ維持管理をめぐるトラブルは多発の傾向にあり、大きな社会問題ともなつている。これらマンションをめぐる様々な問題は、住宅政策の基本に関する重要な問題を含んでいると考えるので、以下の諸点について政府の見解と対応を伺いたい。

一 管理組合とマンション分譲会社及び管理会社との間で、維持管理などの費用負担について問題が起きているが、その実態はどうなつているのか。またその対策はどうか。

二 マンションの管理については、管理会社に業務委託して行う形態が一般的であるが、マンション管理会社の実態は明らかでない。したがつて、その実態を定期的に調査し、管理組合関係者に公表すべきと考えるがどうか。

三 管理組合の中には、大規模修繕の時期になつても修繕積立金の不足、多額の一時金徴収の困難さ等のため必要な工事ができないところもある。したがつて、管理組合に対する政策融資の拡充、修繕積立金の預金利息に対する非課税措置等の助成策を早急に講ずべきと考えるがどうか。

四 建物の瑕疵担保責任の期間は、現在通常二年とされているが、建物の欠陥は新築後三~五年以降十年頃までに出てくるのが実情である。したがつて、瑕疵担保責任期間を十年以上に延ばすべきであると考えるがどうか。

五 いわゆる改正区分所有法の趣旨と内容が、管理組合等の関係者の間でも十分に理解・認識されていないことがトラブル多発の一因となつている。したがつて、主要都市において同法の説明会を開催し、その周知徹底を図るべきと考えるがどうか。

六 マンション管理問題については、政府部内においても多くの部署が分掌しているが、これでは実効ある行政は行い得ない。したがつて建設省行政のうち、マンションに関する事務はすべて民間住宅課において所掌するようにすべきと考えるがどうか。

七 建設省が告示したコンクリートの塩化物含有量の総量規制(コンクリート-立方メートル当たり〇・三キログラム)の実施状況をどのように掌握しているのか。新築マンション販売時においては、その物件のコンクリートの品質表示(塩化物含有量等)を消費者に知らせるよう義務づけるべきと思うがどうか。

  右質問する。