質問主意書

第108回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六号

内閣参質一〇八第一六号

  昭和六十二年五月十五日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員吉川春子君提出米戦闘機のミサイル落下事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員吉川春子君提出米戦闘機のミサイル落下事故に関する質問に対する答弁書

一について

 昭和六十二年四月三日午前九時四十五分頃、米軍機が訓練よりの帰投のため、高度約四千五百メートル、速度毎時約八百九十キロメートルで岩国飛行場に向かつて飛行中、おおむね北緯三十四度四十六分五秒、東経百三十二度二十五分五秒の地点上空で同機搭載のミサイルが落下し、ほぼ同時点に僚機パイロットにより右落下が確認されたものと承知している。

二について

 ミサイルは、落下当時、推進燃料には点火されず、また、起爆装置も作動させられていなかつたこともあり、爆発していない状態で発見、回収されたものと承知している。
 なお、ミサイル落下原因については、現在米側において調査中であるので、推測等に基づいて述べることは差し控えたい。

三の1から3までについて

 事故発生の四月三日以降、広島、島根両県警察、防衛施設庁、自衛隊及び米軍は、緊密な連携の下に、連日、二〇〇人ないし五〇〇人程度の警察官並びに警察、自衛隊及び米軍のヘリコプター数機を出動させ、広島、島根県境の中国山脈を中心とした地域及び同域から岩国飛行場へ向かう米軍機の帰投コース一帯について、ミサイル発見のための捜索を実施したところである。併せて広島、島根両県警察は、継続的に住民等からの情報収集に努める等の活動を行つてきたところ、五月二日に至り、住民からの届出に基づき広島県警察が捜索を実施し、広島県山県郡大朝町の山中においてミサイルを発見し、米軍に回収させたところである。

三の4について

 米軍機のミサイルか否かにかかわらず、警察が行う爆発物その他の危険物の捜索活動等に要する経費については、国及び都道府県が、警察法に基づき、所要の負担をしている。