質問主意書

第108回国会(常会)

質問主意書


質問第九号

名古屋大学の「平和憲章」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十二年三月十八日

井上 計   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   名古屋大学の「平和憲章」に関する質問主意書

 過日の新聞報道等によれば、名古屋大学において「平和憲章」なるものが制定されたとのことである。もとより、日本国憲法は平和主義を旨とし、学問の自由の保障をうたうものであるが、右憲章は学問と社会のかかわり方に関し種々議論のある問題を一面的に取り上げており、大学という組織体の名で「憲章」という形をとつて内外に宣明されている。このような行為は、国立大学として果たして妥当な行為かどうか疑わしいと考える。
 そこで、以上のような見地から、以下、若干の質問をしたい。

一 名古屋大学「平和憲章」につき、所管省である文部省はどう考えるか。

二 「平和憲章」なるものの全文の内容、ならびに宣言が出されるに至つた詳細な経緯を報告されたい。

三 名古屋大学は巷間「反体制知識人」の聖域と噂されているが、この点をどこまで把握しているか。実態を調査した事があるか。

四 昭和六十二年二月六日付け朝日新聞によれば、「戦争を目的とする学問研究と教育には従わない」と「憲章」では言つているが、具体的には何をさしていると考えられるか。

五 名古屋大学の主な研究領域につき、それらに該当すると思われるものをあげられたい。

六 名古屋大学の予算、および特別研究費支出の詳細を過去五年にわたつて示されたい。

七 教職員、事務員の採用基準を示されたい。

八 教職員、事務員の採用・異動状況につき過去三年にわたり明らかにされたい。

  右質問する。