第107回国会(臨時会)
第百七回国会答弁書第一九号
内閣参質一〇七第一九号 昭和六十二年一月九日 内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議員下田京子君提出土地改良事業の農家負担軽減措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員下田京子君提出土地改良事業の農家負担軽減措置に関する質問に対する答弁書 一について 国営土地改良事業は、特定の土地を受益地とし、直接個別農家の利益につながる事業を行うものであるので、受益者からその受益の範囲内において負担金を徴収している。したがつて、基幹施設等の工事費や人件費を全額国庫負担とするのは、適切でないと考えている。
二の(1)について 従来のいわゆる特別会計方式による国営土地改良事業は、現在、種々の問題に直面しているものの、借入金の活用によつて工期の短縮を図るという制度の仕組みは適切なものと考えている。今後とも、新規採択の抑制、予算の重点配分等に努めることにより、制度の趣旨達成に努力してまいりたい。 二の(2)について 昭和六十二年度予算の編成過程において資金運用部預託利率を政令で定める旨の合意が関係省庁間でなされたところである。これを受け、資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)の改正案を第百八回国会に提出すべく準備を進めているところである。 二の(3)について 国営土地改良事業特別会計においては、借入金を事業費の一部に充てることにより、土地改良事業の促進を図つているところである。この借入金は、土地改良事業の性質上、長期間安定的に借り入れる必要があるので、短期的な金利の変動に応じて借換えを行うことは困難である。 三について 厳しい財政事情の下ではあるが、農業構造の改善を進めていく上での土地改良事業の重要性にかんがみ、今後とも、その円滑な推進を図るため、所要の予算を措置してまいりたい。 |