質問主意書

第107回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一〇七第一五号

  昭和六十一年十二月二十六日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員木本平八郎君提出大気汚染の甚だしいディーゼル車及びLPG車の使用制限等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員木本平八郎君提出大気汚染の甚だしいディーゼル車及びLPG車の使用制限等に関する質問に対する答弁書

一について

 LPGタクシーの排出ガス低減対策の徹底については、昭和六十一年十一月十八日付けで日本自動車工業会に対して要請を行い、現在同工業会を中心としてその改善対策内容等について検討しているところである。

二及び四について

 ジーゼル自動車に係る排出ガス規制については、昭和六十一年七月の中央公害対策審議会中間答申に基づき、窒素酸化物の規制強化を図ることとしている。さらに、同審議会において、窒素酸化物及び粒子状物質の低減等について、引き続き、検討を行つているところである。

三について

 排ガス装置の改善を軽油引取税や石油ガス税の税率の引上げによつて促進することについては、道路特定財源としてのこれらの税の性格等から適当でないと考える。

五について

 ジーゼルエンジンは、熱効率が高く、かつ、耐久性に優れる等の特長を有するものと承知している。
 なお、現在、中央公害対策審議会でジーゼル自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の低減等について、検討を行つているところである。
 また、LPG自動車は、ガソリン自動車と同等の排出ガス特性を有している。

六について

 ガソリンエンジンで代替が困難な車両としては、エンジンの総排気量が大きく、かつ、主として高負荷の領域においてエンジンを使用する必要がある大型トラック、大型バス等が考えられる。

七について

 高馬力のガソリンエンジンの開発については、排出ガス中の窒素酸化物等の低減技術が確立されていないこと等技術的に難しい問題があることもあり、政府としてこれを的確に見通すことは困難である。

八について

 政府としては、国民の健康を守ることは最重要課題の一つであると考えているが、国民生活上、経済性や効率性を追求することも重要であると考える。

九について

 政府としては、国民の健康を守ることは最重要課題の一つであると考えているが、国民生活の安定の観点から省エネルギー対策の一環としての燃費問題も重要であると考えている。

十について

 ジーゼル自動車から排出される粒子状物質については、低減を図るべきであると考えており、現在、中央公害対策審議会において検討を行つているところである。