質問主意書

第104回国会(常会)

答弁書


答弁書第四四号

内閣参質一〇四第四四号

  昭和六十一年五月二十七日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員久保亘君提出共同漁業権の一部放棄及び漁業補償についての漁協の権限に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員久保亘君提出共同漁業権の一部放棄及び漁業補償についての漁協の権限に関する質問に対する答弁書

一について

 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第二十二条第一項の規定による漁業権の変更の免許の申請があつた場合において、同条第三項において準用する同法第十三条第一項第二号に該当するときは、都道府県知事は免許をしてはならないこととされている。
 また、御質問のように、漁業権者が漁場区域の縮小を内容とする漁業権の変更の免許を受けようとする場合に都道府県知事がいわゆる漁場計画の見直しを行つた上で変更の免許を行うことについては、漁場区域から除かれる区域について現在免許を有している者に免許を与えておくことが、水面につき漁業上の総合利用を図り漁業生産力を維持発展させるため漁業の免許をする必要がある場合に漁場計画を定めなければならないという制度の趣旨に照らし、必要でない場合には、都道府県知事は、漁業法の規定に従い、漁場計画の見直しを行い、その見直し後の漁場計画に即して漁業権の変更の免許を行うことができると解している。なお、漁場計画は水面についての漁業上の総合利用ということを考慮して計画されるものであり、これに基づき漁業権が設定されるものであることから、漁場計画に基づいて漁業の免許がなされた後は、原則として漁業権の変更を行うべきでない旨指導してきている。

二の(一)について

 御指摘の通達は、県からの照会に対して回答したものであり、組合員に損害賠償請求権が発生した場合に、漁業協同組合が当該損害賠償の請求、受領及び配分の事務を行うには、当該組合員の委任が必要であると解したものである。

二の(二)及び(三)について

 前記通達は、漁業協同組合が組合員の漁業に関する損害賠償の請求、受領及び配分の事務を組合の業務として行い得るかどうか、行い得るとした場合の手続等について回答したものであり、御質問のような漁業補償がなされたか否か及び漁業補償が不要となるか否かという点については言及していない。