第104回国会(常会)
答弁書第三七号
内閣参質一〇四第三七号 昭和六十一年四月二十二日 内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議員鈴木一弘君提出円高及び原油価格の低下等に伴う差益の還元に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員鈴木一弘君提出円高及び原油価格の低下等に伴う差益の還元に関する質問に対する答弁書 一について タクシー事業の運賃については、その原価のほとんどが人件費であり、燃油費の低下が運賃原価に与える影響は極めて小さいこと等から、これを引き下げることは困難な状況にあると考える。 二について 国内航空運送事業の運賃については、燃油費の動向だけではなく当該事業の収支状況等を勘案して検討すべき問題であると考える。 三について 昭和六十一年四月八日の経済対策閣僚会議において決定した総合経済対策において、電力九社及び大手ガス三社の円高等による差益については、需要者に暫定的料金引下げ等の形で還元することを決めたほか、「その他の公共料金等についても、円高、原油価格の低下及び物価の安定基調にかんがみ、可能な限りその引下げに努めるものとするが、引下げが困難なものについても、当該事業の収支状況等を勘案しつつ、料金等の長期安定、サービスの改善等を通じて円高等による差益を還元するものとする」こと等を決定したところである。
四について (1) 配合飼料用麦の政府売渡価格については、最近の政府買入価格が為替相場の円高等を反映して低下していることから、その引下げを行つてきているところである。
五について 輸入牛肉については、畜産振興事業団が、畜産物の価格安定等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十三号。以下「法」という。)に基づき、国内の需給及び価格の動向を考慮して売り渡すこととしている。この結果生ずる差益については、法の定めるところにより、国内肉用牛生産の振興や畜産物の流通・消費の改善に充て、中長期的に生産者・消費者双方の利益に資することを基本としており、最近の急速な為替相場の円高傾向にかんがみ、今回、差益を消費者により直結する形で還元する方策をとることとしたところである。
|