質問主意書

第104回国会(常会)

質問主意書


質問第四六号

ペット公害及び野良犬、野良猫の避妊措置等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十一年五月十四日

木本 平八郎   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   ペット公害及び野良犬、野良猫の避妊措置等に関する質問主意書

一 今後、わが国が成熟した社会を迎えるにあたり、人間とペット動物との調和のある関係が創り出されなければならないと考えるが、動物虐待の例、ペットと称しての猛獣、猛きん類の飼育とその管理の不適切さ、近隣へのいわゆるペット公害等、調和ある関係を阻害する事例がしばしば見受けられる。これらはすべて飼育者の自覚に待つ以外にないのか。
 行政側の対応、施策があれば示されたい。

二 犬、猫などペットの飼育、管理のあり方をめぐつて持ち込まれる苦情、あるいは野良犬、野良猫による被害の実情はどうか。都道府県で集計したデータがあれば、その苦情及び被害を分類し、その件数を明らかにされたい。

三 動物の保護及び管理に関する法律が施行されて後、今日までの間における犬及び猫の引取り状況と引き取られた後の措置はどのようになつているのか。
 なお、犬及び猫の引取り要請が、最近急増しているといわれるが、その原因は何か。

四 (1) 犬及び猫の不妊手術の料金は、現在どの程度と承知しているか。雄と雌の別に分けて、おおよその上限と下限を示されたい。
  (2) 前記料金には、大きな幅があると聞いているが、その原因は何か。
  (3) 不妊手術を希望する飼主に対し、手軽に、しかも安い料金で手術を受けさせる方策を考えるべきではないか。
 また、標準的な料金体系を指導すべきではないか。

五 (1) 動物の場合、発情の季節は大体決まつており、犬、猫に対する避妊薬(ピル)の投与は効果的であると思うが、その開発の見通しはどうか。
  (2) 政府が、かかる薬品の開発をオーソライズし、薬効及び副作用を見極めた上で市販を許可すれば、愛犬家、愛猫家の需要はあると思われるがどうか。
  (3) また、野良化した犬、猫に対して、かかる避妊薬を餌に混入し投与する方法は、飼主不明の犬、猫の異常な繁殖を防ぐ方法として有効であると思うがどうか。このような方法であれば、民間の動物愛護家のボランティア活動としても協力を得やすいと思われるが、政府の考えはどうか。

  右質問する。