質問主意書

第104回国会(常会)

質問主意書


質問第三四号

円高・原料安によるサラダ油の価格引下げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十一年四月十一日

小笠原 貞子   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   円高・原料安によるサラダ油の価格引下げに関する質問主意書

 家庭の台所にとつては、サラダ油は欠かせないものになつている。
 私は、円高差益の消費者への還元、原油など原料安等による消費者・利用者への利益還元を求めつつ、とりわけ大豆を原料とするサラダ油について、その価格引下げのための政府の実効ある対策をとるように求める立場で、以下具体的に質問する。

一 原料大豆の価格の低下について

 大蔵省の「外国貿易概況」によれば、わが国に輸入される大豆の通関価格(トン当たり)は、次の表のように急速に低下している。

図 表 1/2

図 表 2/2

 原料大豆の輸入価格の大幅な下落の実態とその原因及び背景について、政府はどのように認識しているか、明確な答弁を求める。

二 サラダ油の価格引下げについて

(1) 原料安による引下げ

 昭和五十九年六月に製油メーカーが卸値を引き上げて以降、サラダ油の卸価格と小売価格は高値安定を続けている。日清製油など大手メーカーの原料安による差益は、本年一月と二年前とを比べると一カ月で約百六十億円にものぼつている。また、日清製油の昭和六十年度経常利益は、六十五億円と見込まれている。政府は、原料安による差益を消費者に還元するため、製油メーカーの卸値を相当額引き下げるように指導すべきであると思うがどうか。

(2) 円高差益の還元

 最近の円相場の急騰は著しく、昨年九月の一ドル二百四十円が十二月には二百円、今年の二月以降は百八十円前後にまでなつている。一ドル二百四十円が、百八十円になると、大豆の輸入単価はトン当たり一万千円低下することになり、これは、一本七百グラム入りのサラダ油に換算すると、約百円に相当する。
 政府は、サラダ油の円高差益の還元を徹底するために、業界に強力な指導をすべきであると思うがどうか。

(3) メーカー卸値の水準

 製油メーカーは、「特売価格が実勢価格に近い」としているが、原料安と円高からみて、実際には通常の卸価格自体を現行の半分に引き下げても再生産は可能であると考える。そこで、卸価格を半分に引き下げるべきだと思うが、政府の考えはどうか。
 また、末端消費者段階で実効があがるようにするためには、大本である製造メーカーの卸段階への政府の厳しい指導が必要だと考えるがどうか。

三 割高な北海道価格の引下げについて

 北海道におけるサラダ油価格(一本七百グラム入り)は、歴史的にみても全国最高の水準であり、本年一月は四百二十円で、東京と比較すると十三・五%も割高となつている(左の表を参照のこと)。

図 表

(1) 政府の認識

 政府統計でも、北海道価格はこれまでずつと割高となつているが、この原因について政府はどのように認識しているのか。

(2) 北海道価格の解消

 かつてのように、交通体系が未発達な時期ならいざ知らず、今日の価格差は明らかに合理性を欠くものである。これはメーカーの卸値自体の割高が原因であり、政府は、直ちに是正の指導をすべきであると思うがどうか。

  右質問する。