質問主意書

第104回国会(常会)

質問主意書


質問第二七号

軽種馬生産農家への農業改良資金の貸付け等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十一年三月二十七日

小笠原 貞子   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   軽種馬生産農家への農業改良資金の貸付け等に関する質問主意書

 北海道は、日本軽種馬生産の九割を占める主産地であり、日高・胆振地方では地域経済の主柱ともなつている。
 このたび、「農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案」が国会に提出されたが、これは日本中央競馬会に対し、通常納付金(昭和六十年度・一九七〇億円)のほかに、昭和六十一年度、同六十二年度にそれぞれ一五〇億円を、農業改良資金の原資として特別納付させようとするものである。
 ところで、本措置によつて拡充される同資金のうちの畜産振興資金には、軽種馬生産農家は除外されており、農業改良資金全体でみても同農家への貸付件数は皆無に等しい数である。これに対しては関係農家から、「競争馬を生産するわれわれが、何故除外されなければならないのか。」との声も出ているほどである。
 私は、かつて参議院農林水産委員会(昭和五十四年十二月七日)で、「農林漁業金融公庫の貸付対象に軽種馬を含めよ」と主張し、翌年から公庫貸付対象となつた。
 また一昨年には、私と日本共産党北海道委員会が連名で、農林水産省に、軽種馬生産農家を救済するため畜産経営負債整理資金の導入・実施についての要望書を提出したが、これに対して、昨年から畜産経営負債整理資金の対象となるなど、改善がはかられてきた。
 軽種馬生産農家をめぐる状況とこれまでのわれわれの取組みを踏まえ、更に、以下具体的に質問する。

一 競馬益金の生産地還元について

 日本中央競馬会の増田副理事長は、かつて衆議院農林水産委員会で、競馬益金の産地還元に関して「生産者団体から具体的な提案があれば、それに応じて検討する用意がある」(昭和五十四年十二月二十一日)と答弁している。
 政府は、競馬益金の一部を生産者や産地に還元することについて、どのような考え方をもつているか、政府の明確な答弁を求める。

二 農業改良資金の改善について

 農業改良資金(農業後継者育成資金)を軽種馬生産後継青年に貸し付けた例は、北海道で一昨年度えりも町で一件あつた程度である。
 軽種馬生産農家は、一般に広く活用する畜産振興資金の貸付対象にはなつていない。これを改善し、軽種馬生産農家を貸付対象にすべきであると思うがどうか。
 あるいは、日本中央競馬会特別積立金の農業改良資金への活用という今回の措置にかんがみ、農業改良資金の中に軽種馬生産農家専用の資金をつくるべきだと思うがどうか。

  右質問する。