質問主意書

第103回国会(臨時会)

答弁書


第百三回国会答弁書第二〇号

内閣参質一〇三第二〇号

  昭和六十年十二月二十四日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出F4ファントムの試改修に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出F4ファントムの試改修に関する質問に対する答弁書

一及び十二について

 F-4EJ能力向上試改修機(以下「試改修機」という。)の実用試験では、試改修機の飛行性能並びに火器管制及び航法等の各種機能の確認等のための試験を実施し、現在、収集した資料を取りまとめているところであり、その結果等について具体的に申し述べる段階にない。

二から十までについて

 F-4EJ型機については、機体の疲労寿命の管理を個機ごとの疲労の状況に応じて管理する構造安全管理態勢により実施することとし、これにより同型機の寿命が相当程度延伸すると見込まれるところから、同型機を将来においても活用するために、火器管制機能の向上、搭載ミサイルの拡大・近代化等を目的とする試改修を実施した。その具体的内容は、セントラルコンピューター、ヘッドアップディスプレイ及びミサイル制御装置の新規装備並びにFCSレーダーのAPG-66(ウェスティングハウス社製)への換装及び慣性航法装置のLN-39(リットン社製)への換装等である。
 試改修で所期の成果が得られれば、試改修機は、火器管制、航法等に関する各種情報の一元的・総合的処理能力及びルックダウン能力が付与され、また、空対空ミサイルAIM-7F/9L及び空対艦ミサイルASM-1の搭載等により、空対空能力が向上するとともに、ミサイルによる対艦攻撃能力が付与されることとなる。

十一について

 F-4型機に係る構造安全管理態勢の運用については、計測装置の整備及び構造安全管理プログラムの作成等所要の態勢整備を完了し、昭和五十九年度から個機ごとの疲労の状況に応じた機体管理を行つている。

十三について

 今後、試改修の結果を踏まえ、費用対効果等を総合的に検討の上、必要な措置を講じたいと考えている。

十四について

 支援戦闘機(F-1)の後継機については、国内開発、現有機の転用及び外国機の導入という選択肢について検討しているところである。