質問主意書

第103回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一〇三第一九号

  昭和六十年十二月十三日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員鶴岡洋君提出ツツガムシ病対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員鶴岡洋君提出ツツガムシ病対策に関する質問に対する答弁書

一について

 いわゆる新型のつつが虫病とは、タテツツガムシ又はフトゲツツガムシにより媒介される疾病をいい、その患者数が最近増加した原因については、ツツガムシの生息環境の変化、殺虫剤等の使用の変遷等の諸説があるが、結論をみるには至つていない。
 つつが虫病は、ツツガムシの幼虫を介してつつが虫病リケッチアが人に感染し、発症する疾病であり、その症状としては、特有の初発病巣の発現及び発熱、頭痛等がある。
 昭和五十五年から昭和五十九年までの五年間に発生した患者の数は、全国で二千七百三十六人であり、当該五年間の患者数が二百人以上の都道府県は、秋田県、宮崎県及び鹿児島県である。

二について

 つつが虫病の治療については、テトラサイクリン、クロラムフェニコール等の有効な医薬品が既に開発され、かつ、これらの使用が認められている。したがつて、患者を早期に発見し、これらの有効な医薬品を用いて早期に治療を行うことが重要である。

三及び四について

 つつが虫病に関しては、昭和五十二年度から昭和五十六年度までに行われた厚生行政科学研究事業等の調査研究により相当の科学的知見が得られたので、これを踏まえて、昭和五十八年二月、厚生省から各都道府県等に対し具体的な診断方法、治療方法、予防方法等を通知し、つつが虫病対策の万全を期しているところである。