質問主意書

第103回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一六号

内閣参質一〇三第一六号

  昭和六十年十二月十七日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員二宮文造君提出土地区画整理事業施行地区の市街化促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員二宮文造君提出土地区画整理事業施行地区の市街化促進に関する質問に対する答弁書

一について

 建設省が昭和五十九年度に行つた調査の結果によると、昭和三十七年度から昭和五十四年度までに土地区画整理事業の施行についての認可を受けた事業で、昭和五十九年七月末までに換地処分の公告があつたものの施行地区内において、建築物が存しない宅地は、全国で約二万千四百ヘクタールとなつている。
 事業施行地区内の宅地の市街化を促進するため、当該宅地に住宅を建設する者に対する住宅金融公庫の融資の特例、当該宅地で仮換地指定後三年以内に住宅地として譲渡されたものに係る長期譲渡所得の課税の特例等の施策を講じているほか、市街化の核となる公益施設等の導入促進等について所要の指導を行つてきたところである。

二について

 建設省が昭和五十五年度に行つた調査の結果によると、昭和四十五年度から昭和五十四年度までに土地区画整理事業の施行についての認可を受けた事業の事業施行期間は、地区面積の大きさ等により相当程度の差異はあるが、平均すると約六年(清算期間を除く。)となつている。

三について

 保留地予定地の面積に関する調査は、現在まで行つていない。
 なお、二についてにおいて述べた調査の結果によると、平均的な保留地減歩率は約十パーセントとなつている。

四について

 保留地予定地については、施行者は、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第百条の二の規定によりこれを管理するものとされているが、所有権等登記の対象となる権利を有してはいない。したがつて、このような保留地予定地について登記を可能とすることは、現在の土地区画整理法及び関係法令の体系と根本的に抵触するので、制度の改正は極めて困難である。
 保留地予定地に係る担保の問題については、現実に相当数の施行者が担保力補完措置を講じてきているが、今後とも、現行制度を踏まえ、土地区画整理事業の一層の円滑な推進を図るため、種々の観点から検討してまいりたい。

五について

 住宅・都市整備公団が昭和五十九年度末現在施行中の土地区画整理事業のうち、宅地の分譲後において事業施行期間が変更された地区は八地区である。
 また、宅地の譲受人が未登記の宅地を担保に供して融資を受けようとする場合、住宅・都市整備公団が金融機関の紹介等を行うこととしていると聞いている。

六について

 大和都市計画事業(奈良国際文化観光都市建設事業)平城土地区画整理事業については、当該事業に関連する公共施設整備に関して、費用負担の調整、用地買収の難航等によりその実施が長期化したため、宅地造成工事が遅延し、やむを得ず三回にわたつて事業施行期間を変更したものであり、事業施行期間が今後更に変更される見込みはないと聞いている。