質問主意書

第103回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一〇三第八号

  昭和六十年十一月十九日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員木本平八郎君提出輸入オレンジのミバエ防除手続に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員木本平八郎君提出輸入オレンジのミバエ防除手続に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

(一) 我が国の輸入植物検疫は、国際植物防疫条約(昭和二十七年条約第十五号)及び植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)に基づき、諸外国からのチチュウカイミバエ等の有害動植物の侵入を防止するため、技術的見地から行つているものである。
(二) 豪州産オレンジ生果実については、同国にチチュウカイミバエ及びクインスランドミバエが発生しているため、現地において、くん蒸、我が国の植物防疫官による実施確認、豪州における検疫が終了している旨の果実への表示、再汚染防止等のためのこん包への封印等技術上の措置を講ずることを条件として特例的に輸入解禁措置を採つたものである。
(三) 輸出国において行われるくん蒸等については、我が国から派遣された植物防疫官による確認等の措置が採られていることから、殺虫が不完全であつたことにより、我が国に輸入された果実からミバエ(生虫)が発見されるという事例は生じていない。なお、ミバエ以外の生存害虫が発見された場合には、我が国への侵入防止のため消毒を行う必要が生じるが、現在までのところそのような事例はない。
(四) 我が国の植物防疫官の輸出国への派遣に要する外国出張旅費については、特例的に輸入解禁を行う際に、解禁要請国(輸出国)側が負担するものとして両国間で合意されているものである。
 これは、我が国が輸出国となる場合も同様であり、我が国産の生果実を米国へ輸出するに当たつては、米国の検査官の来日に要する出張旅費は、我が国側が負担しているところである。

五及び六について

 豪州産オレンジの各生果実に同国における検疫が終了している旨の表示をすることは、輸入禁止品を特例的に輸入解禁するに当たり、同国において検疫が終了していることを確認する等のために植物検疫上技術的見地から不可欠の措置として義務付けたものである。なお、表示の実施方法については、両国間の協議により従来の人手によるラベルの貼付から機械による貼付に改めることに既に合意しており、これにより果実への表示作業は大幅に効率化され、かつ、これに伴う経費も低減すると考えられる。

七及び八について

 生果実類の輸入解禁に当たつて付す条件は、いずれも植物検疫上技術的見地から必要最小限のものであり、これを緩和することはできない。なお、当該条件の実施方法については、一部の輸出国から改善の要求があるが、これについては、従来と同様、専門家間の協議を踏まえて検討していくこととしている。