質問主意書

第103回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二一号

わが国周辺の最近の軍事情勢に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十年十二月十四日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   わが国周辺の最近の軍事情勢に関する質問主意書

 わが国周辺の軍事情勢の現状について、以下質問する。

一 沿海州の基地群に展開しているソ連の戦略爆撃機バックファイアB型は、現在どの程度の機数に達しているのか。空軍と海軍のそれぞれの機数と増勢のテンポはどうか。

二 新型戦略爆撃機ツポレフ・ラムP(ブラックジャック)は、西側軍事筋の観測では、一九八六年ないし八七年頃には、実戦配備されるのではないかと見られているが、防衛庁の分析はどうか。

三 極東に配備されているSS-20の配備数はどうか。また、数年来の傾向に照らして、増加のテンポはどうか。

四 北方四島へのソ連側の配備に、変化は認められないか。陸・海・空について現状はどうか。

五 北方四島のうち、国後島の航空基地は、東沸と古釜布、択捉島は天寧と年萠だけか。

六 沿海州、サハリン、カムチャツカの主要な空軍基地と海軍基地の所在地については、どのように承知しているか。

七 ウラジオストク、ナホトカ、オリガ、ボストーチヌイ、ソヴィエツカヤ・ガバニ、ハバロフスク、コムソモリスクナ・アムーレ、ニコライエフスクナ・アムーレ、マガダン、ペトロパブロフスク・カムチャツキー、アレキサンドロフスク・サハリンスキー、ユジノサハリンスク、コルサコフ等にある基地は、それぞれどのような基地か。

八 カムチャツカ半島中央部のミリコボは、どのような軍事施設なのか。

九 ベトナムのカムラン湾を含めたソ連による軍事的プレゼンスの現状と、カムラン湾の基地機能については、どのように把握しているのか。

十 そのようなソ連による軍事的プレゼンスは、わが国のシーレーン防衛にとつて、どの程度の脅威と考えるか。

十一 シベリア軍管区をはじめ、極東、ザバイカル、モンゴルの各軍管区に配備されているソ連地上軍の兵力と編成、カテゴリー、並びに前線航空部隊と空軍、海軍航空部隊の現状はどうか。

十二 これらの各軍管区を統轄する統合軍司令部は、チタか、イルクーツクか、またはハバロフスクなのか。

十三 極東ソ連軍の最新の配備状況からしても、わが国に対する侵攻の規模と能力は、なおかつ、限定的かつ小規模のものと考えているのか。

十四 最近のソ連・北朝鮮間の軍事協力の拡大(MIG-23の供与と両国空軍の相互訪問飛行、ソ連機の北朝鮮上空通過の新ルートの承認、日本海側と黄海側軍港へのソ連艦船の寄港等)を、どのように見ているのか。

  右質問する。