質問主意書

第102回国会(常会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一〇二第二八号

  昭和六十年四月二十六日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出五九中業策定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出五九中業策定に関する質問に対する答弁書

一、二及び七から十四までについて

 五九中業については、現在、防衛庁において作成作業中であり、いまだ、その内容について具体的に申し述べる段階にない。
 なお、五九中業の作成に当たつては、四面環海の我が国の地理的特性等を踏まえ、かつ、諸外国の技術的水準の動向にも十分配慮して、質の高い効率的・重点的な防衛力整備に努める考えである。

三から五までについて

 防衛庁では、現有の六一式戦車、七四式戦車に引き続き、現在、新戦車の開発を行つているところであり、見通しについて申し述べる段階にない。
 なお、現有の七四式戦車と現在開発中の新戦車を比べた場合の新戦車の目標とする諸元・性能、改良点及び特徴は、おおむね次のとおりである。

図 表

六について

 六一式戦車については、原則として、二十年を経過するものについて個々に修理の可能性等を慎重に審査し、修理の可能性のないものについては不用決定することとしている。また、七四式戦車については、現在、その調達を行つているところであり、いまだ、不用決定を行う時期には至つていない。したがつて、両者とも現時点においてはいつまで運用するかについて申し述べることはできない。

十五から十七までについて

 加藤防衛庁長官の訪米及び次回の日米安保事務レベル協議の時期等については、現時点においては確定しておらず、申し述べる段階にない。

十八から二十五までについて

(一) 我が国は、憲法及び基本的防衛政策に従い、自主的判断に基づき、自衛のため必要最小限度の防衛力の整備に努力しているところである。
 米国は、我が国のこのような基本的な考え方に基づく防衛政策を十分理解しており、我が国が海上交通の安全確保を図る場合の海上交通保護能力についても、我が国に対し一層の防衛努力を行うよう一般的な期待を表明しているが、装備品や数字を挙げての我が国に対する具体的な要請は行われていない。
(二) 我が国が海上交通の安全確保を図る場合の洋上防空については、艦艇部隊に各種の対空ミサイル、砲等を装備することにより対処したいと従来から考えており、そのための整備を進めているところである。
 また、航空自衛隊の戦闘機が、我が国周辺の空域で可能な範囲で防空作戦を行うことは、もとより当然である。
 さらに、「日米防衛協力のための指針」において述べているとおり、米軍は、自衛隊の行う作戦を支援し、かつ、自衛隊の能力の及ばない機能を補完するための作戦を実施することとされているところである。
(三) なお、五九中業との関係については、いまだ、その内容について申し述べる段階にないことは前述のとおりである。