質問主意書

第102回国会(常会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質一〇二第六号

  昭和六十年一月十八日

内閣総理大臣臨時代理             
国務大臣 河本 敏夫   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出平和問題研究会の報告書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出平和問題研究会の報告書に関する質問に対する答弁書

一について

 近年における国際関係の大きな変化を踏まえて総合的な安全保障政策をいかに推進すべきかという問題に関する意見を期待した。

二について

 参集者による自由、活発な議論の結果、参集者の意見が報告のとおりまとめられたと聞いている。
 なお、御指摘のような要請を行つたことはない。

三について

 行政運営に当たり、広く各界にわたる有識者の意見を聴くことは重要であると考えており、このような観点から、総合的な安全保障政策の推進について幅広く意見を聴くため平和問題研究会を開催したものであつて、御指摘は当たらないと考える。
 なお、同研究会の報告は、審議会等の答申とは異なり、これら有識者の意見交換の結果を整理したものである。

四について

 昭和六十年度予算編成において政府が考慮した事項のうち、報告において述べられているものとしては、例えば、政府開発援助関係については、特段の配慮を行うこと、技術開発関係については、民間活力を活用しつつ一層の推進を図ること、資源関係については、石油備蓄の増強及びエネルギー供給の多様化、レアメタルの探鉱開発の推進及び備蓄の積増し並びに食料の安定供給の確保、防衛関係については、自衛隊の抗たん性及び継戦能力の向上並びに自衛隊員の生活環境の改善等が挙げられる。

五について

 中長期的な問題としては、例えば、政府開発援助の拡充とその効果的・効率的実施、科学技術の振興、総合的な資源・エネルギー対策の一層の推進、世界の長期的な食料需給を踏まえた食料供給能力の確保、将来の防衛力の整備等が挙げられる。

六から九まで及び十一について

 報告については、我が国の安全保障に関する有識者の意見として十分研究を行い、今後の防衛政策を検討する際の参考としてまいりたい。
 政府は、現在、「防衛計画の大綱」の見直しを行うことは考えていない。
 また、昭和五十一年の三木内閣の防衛費に関する閣議決定の方針についてはこれを守ることとして、昭和六十年度予算編成に際しても、GNP比一パーセント枠を堅持したところである。
 なお、いわゆる「防衛費に関する新しい歯止め」の問題については、その必要性が具体的に生じた事態において検討していくべきものと考える。

十について

 外交、経済、防衛等のそれぞれの分野において近年における国際関係の大きな変化に対応した諸施策を総合的に実施しなければならない旨の平和問題研究会の報告は示唆に富むものと考える。

十二について

 報告については、今後十分研究を行い、各般の施策を実施する際の参考としてまいりたい。
 なお、次回の総合安全保障関係閣僚会議において、報告の内容を報告する予定である。