質問主意書

第102回国会(常会)

質問主意書


質問第五七号

「シーレーンの安全保障」についてのソ連の対日交渉提案に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十年六月二十五日

黒柳 明   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   「シーレーンの安全保障」についてのソ連の対日交渉提案に関する質問主意書

 ソ連は、二十二日付の共産党機関紙プラウダに掲載されたオフチンニコフ政治評論員の論文で、ソ連が日本に対してシーレーン問題一本にしぼって交渉の用意があるとの姿勢を示したが、この問題提起については、今日の日ソ関係についても無視できない重要な問題提起であると思われるので、若干の質問をする。

一 ソ連側がシーレーンに照準を合わせて信頼醸成措置を言い出した背景には、加藤防衛庁長官の訪米で日米の軍事協力が一段と進み、日米軍事同盟へ向けて新たな一歩を踏み出したとの認識が、ソ連側にあるのではないかと思われる。政府は、このソ連の提案の背景についてどのような把握をしているか。

二 この提案の中で、「これらの海域での海軍の行動を制限、削減することは、日本の重要な利益に合致する」と述べているが、その真意を政府はどう受けとめているか。

三 「信頼醸成措置」について外務省当局は、その前提として、信頼の基礎づくりが先決であるとの考えがあるようだが、その信頼の基礎づくりは、わが国政府が積極的にすべきであると思う。今後、この提案も含めて対ソ政策について政府は、どう積極的打開策をもつているか伺いたい。

  右質問する。